(授業案内)博士前期課程授業科目概要

言語文化専攻共通科目

研究実践基礎

研究倫理、研究調査、レポート・論文の作成や研究発表の基礎を身につける。具体的には、研究倫理についての基礎知識、研究調査の基本的な方法、修士論文の書き方の基本、研究発表の基本的な方法等を学ぶ。
※この科目は博士前期課程1年次の春学期(月曜5限)の必修科目で、クラスは指定されます。

研究発表演習

研究成果を論理的に表現し、体系的にまとめる能力を向上させる。修士論文の作成や発表の具体的な方法を学び、修士論文中間発表のための実践的訓練を行う。
※この科目は博士前期課程2年次の夏学期(月曜5限)の必修科目で、クラスは指定されます。

言語特別演習

言語文化専攻の各講座の枠を超えて開講される、講座横断・専攻共通の言語演習科目である。基本的に受講者の第1言語以外の言語により、専門的な研究調査、海外研修、論文執筆、国内外の学会における研究発表等に積極的に取り組み、成果を挙げるために必要とされる、大学院学生にふさわしい高度な言語運用能力を養成する。各言語の母語話者がそれぞれのクラスを担当し、各言語の読解力、論文作成能力、プレゼンテーション能力等を向上させるための演習を行う。

1.言語文化比較交流論講座

比較言語文化論

世界各地の言語文化の歴史的な変遷やその現在の実相を、比較の視点と方法により明らかにする。具体的には、各国・各民族・各地域の言語文化の諸相を、通時的・共時的双方の観点から比較検討し、それぞれの言語文化の共通点および相違点を追究する。また、特定の言語文化が国家や民族の枠組みを越えてより広域的あるいは国際的な広がりを獲得する現象について、そのような普遍化のプロセスがいかに生じるかを比較言語文化的な視点から考察する。

言語文化交流論

おもに明治期以降進展してきた日本と諸外国・諸地域との言語文化交流の諸相を明らかにする。具体的には、これらの交流が、語学教育、文学、文化・文明論、演劇、ジャーナリズム、および科学技術用語や日常語などのさまざまな分野で、どのようなかたちで進められ、相互の理解に役立ってきたか、あるいはそれぞれの言語文化をどのように変容させてきたかを検証する。さらに、多文化多言語共生の時代における言語文化交流のあるべき姿について考究する。

言語文化変容論

伝統的には一つの言語文化圏とされてきた国・民族・地域においても、その現実の歴史においては、異言語・異文化接触によって、多言語使用の状況や文化変容、また、それにともなう言語文化意識の変化などが生じてきた。このような言語文化変容のプロセスを、民族言語・民族文化の混交の現象や、普遍的言語文化の成立過程、さらに、現代世界の各地で表面化しつつある多民族社会や移民社会における諸問題、マルチカルチュラリズムの理念と現実などの観点から多角的に考究する。

言語文化政策論

世界の各国・各地域の言語文化の性質は、その方向性を定めるための活動や、その結果としての言語文化政策によって大きく左右されてきたが、そのような側面の重要性は今後も減じることはないであろう。そこで、グローバル化時代における我が国の言語文化的な未来を構築する一助として、世界各地の多言語・多民族社会における言語計画や言語文化政策、およびその実際的運用と、政治的・外交的・経済的な国際環境がそれらに及ぼす影響などを調査・検討する。

2.言語文化システム論講座

言語文化システム論

現代世界におけるグローバリゼーションの進展は、個々の言語文化を単独に切り離して捉えることをますます困難にしている。むしろ、言語文化と政治的・経済的な要因との関係や、国民文化・民族文化とグローバリゼーションとの関係など、言語文化を取り巻くさまざまな要素と言語文化とのあいだの複合的な関係性がより大きな重要性をもつにいたっている。このような関係性を、言語文化システムとして総合的・体系的に捉えるための視点を構築することを目指す。

言語文化理論研究

文化や社会の形成において言語が果たしている中心的な機能に対する認識は、「言語的転換」と呼ばれる近年の文化批評の動向からも明らかであるが、そのような潮流のなかで、言語と文化と社会との相関を追及してきたさまざまな文化理論、たとえば構造主義、ポスト構造主義、ポストモダニズム論、カルチュラル・スタディーズなどを取り上げ、それらの理論の可能性や問題点を今日的な視点から検証しつつ、総合的・体系的な言語文化理論の構築を目指す。

文化分析方法論

近現代における言語文化の領域は、狭い意味での言語的な産物から、さまざまな種類の記号表現や表象システムへと拡大する傾向を示してきた。このような趨勢を踏まえつつ、言語にもとづく文化事象や言語構造を反映した記号体系、さらには各種の表象システムなどを分析するための方法を探究する。具体的には、言語学、言語哲学、記号学、社会理論、精神分析などの学問領域を援用しつつ、人間社会において言語文化が果たしている諸機能を体系的に考究する。

公共文化形成論

現代においては、ある一つの言語文化環境にグローバル化とローカル化とが拮抗しながら並存する状況が生じている。このような状況を視野に入れながら、さまざまな種類の言語文化的な集団の形成過程を通時的・共時的視点から分析する。国際機関や国家連合、国家制度、NGO、地域共同体、公共的な文化制度、より小規模な公的・私的な文化集団などを例に取り、それらの言語文化コミュニティがどのような理念や意識にもとづいて形成されているかを検証する。

3.現代超域文化論講座

現代超域文化論

多文化の共存・協調の時代において、日本などいわゆる先進諸国がしかるべき国際的役割を果たしていくためには、その他の諸地域との超域的な連携協力関係が必須である。この科目においては、これら諸地域の問題を固有の地政学的位置における伝統文化と外来文化の相関といった視点から検討するとともに、地域間の協力関係に必要とされる異言語・異文化理解のあるべき姿を追究し、協調的な超域文化を構想するための高度な言語文化リテラシーを養成する。

ジェンダー論

フェミニズム、ジェンダー、セクシュアリティに関する研究を基礎とし、社会と文化に顕在化した、あるいはそこに潜在する性差の構造をめぐる諸問題を分析・考察する。言語・メディア・芸術・学校教育・労働・家族などの生活の各領域、また、開発・国際協力・政治などの国際的な領域にも目を向けることにより、既成観念にとらわれずに今後の男女共同参画社会に寄与することのできる高度な言語文化リテラシーを備えた人材を育成することを目指す。

言語文化メディア論

現代世界においては、文字や音声による伝統的な言語文化の産物の他に、テレビ・映画・新聞・雑誌・インターネットなどの情報メディアを介した言語文化的な産物がグローバルな規模で複合的に展開し、世界各地の言語文化に多大な影響を及ぼしているが、これらの言語文化メディアの新たな可能性及び問題点を、その言語機能や表象機能、社会的側面との影響関係などの点から多角的に検証し、次世代における新たなメディア・リテラシーの方向性を探る。

現代文化ダイナミクス論

近現代の都市環境や文化産業は、さまざまな都市文化を生み出すとともに、消費文化、ポピュラー・カルチャー、サブカルチャーなどの現代文化を多量に生産し、伝統的な社会・文化との弁証法的な葛藤を経ながら、現在の文化状況を形成してきた。このような言語文化形成の動態を、フィールドワークなどにより観察・分析するとともに、文化人類学や社会理論、カルチュラル・スタディーズなどの文化理論に基づいて、言語文化と社会的諸条件との相互関係を総合的に考察する。

4.言語コミュニケーション論講座

言語コミュニケーション論

言語によるコミュニケーションのメカニズムの解明に向け、諸言語における言語行動の国際比較・対照研究などを通して、異言語文化間で発生するコミュニケーション・ギャップの実際を考察するとともに、文化的背景・社会的要因・個人的属性などによるさまざまなギャップを越えてコミュニケーションが成り立っていく過程ならびに要因を追究する。また、異言語・異文化間における相互理解の推進を図るため、世界に向けて発信しまた交流しうる国際性と言語文化リテラシーを考究する。

言語運用理論研究

音声学・音韻論および語彙論・統語論を基礎として言語能力と言語運用の関連を追究し、言語運用の実際に基づくデータを意味論・語用論の立場から分析して発話や談話の構造を考察するとともに、その原動力となる人間の認知能力・認知メカニズムの解明をめざす。相互理解に必要な意思疎通と合意形成のための言語能力の開発に向け、コミュニケーションを成り立たせるために必要な情報の組み立て方や提示法などをはじめとする、言語運用の基盤となる理論を構築し、さらにコミュニケーションをデザインする力を追究する。

言語技術研究

実際のコミュニケーションの場で使用されるさまざまな手段のありようについて幅広く資料を収集して分析するとともに、異文化間の高度な言語コミュニケーションを成り立たせるための技術および理論について学ぶ。また、日本語を第二言語とする人々の間で高度のコミュニケーションを成立させるための技術および理論についての研究を行い、日本語が国際語として機能するための基本的条件を検討する。さらに、映像や音声を用いた情報を解析して、多様な表現技術が教育的実践に応用できるように研究指導を行う。

社会言語学研究

言語を社会的なコンテクストにおいて考究する社会言語学の基礎理論を論じ、その相関関係に基づく言語研究の実際について研究指導を行う。会話などのコミュニケーションを社会的な営みと捉えてそこで行われるやり取りを分析するミクロ的アプローチ、また言語学と社会学にまたがる学際的分野として話者の社会的属性をはじめとする社会的諸要因との相関で言語の多様性を分析するマクロ的アプローチなど多様な観点から、言語と社会との相関関係における複雑な様相や諸問題を読み解いていく。

5.言語文化教育論講座

言語文化教育論

言語と文化の本質的な関係、言語教育における社会的要因、母語教育と異言語(第二言語および外国語)教育の関係、教育活動の総体における言語教育の位置づけ、異文化理解教育やグローバル教育における言語教育の役割、言語文化教育の学問的性質などの諸問題に関する分析をはじめとして、言語文化教育論の体系と基本的問題について考察する。また、多言語・多文化が共生する現代社会における言語文化への深い理解に基盤をおいた言語教育のあり方を追究する。

異言語教育方法論

外国語教育・第二言語教育における種々の教授法の理論的基盤について言語学・心理学・教育学などの関連分野の知見を援用しながら分析するとともに、教授法における体系化された手順としてのメソッドや、教育機器の活用をも含む具体的な教授技術などについて考察する。また、外国語教育・第二言語教育における教材、そして教材の配列や教授内容の編成に関わるシラバス、さらに評価の基盤となるテスティングなどについて、理論と実践の両面からの考察を行う。

言語表現生態論

日常言語やテクスト化された言語表現を対象に、話者の選択による表出と聴者の推論による受容の双方向から、多層的に構築されたテクスト、コミュニケーションの構図を分析する。対人レベルのみならず、それらを取り巻く社会や文化との関連において、バリアフリー社会のためのコミュニケーション研究に寄与することをめざす。また、国際的な情報交流に際しての文書記述・スピーチ・翻訳・通訳など、実際的場面における言語運用を習得させ、かつこの分野における高度専門職業人の育成を図る。

応用言語学研究

外国語教育の意義と方法に焦点をあて、多岐にわたる言語学の基礎研究の成果を言語教育に応用するための理論と実践を追究する。言語習得の過程における非言語的な行動と言語行動との関連、生活行動様式と言語使用の関連などを分析し、教授法・カリキュラム・教材などを含めた言語指導の実際など、言語学習に関する実践的理論について歴史的・国際的視点をもとり入れ多角的に検討する。さらに、言語をいかに効果的に習得できるかについて実用面からのアプローチも行う。

応用マルチメディア論

教育や各種メディア、芸術表現の世界でマルチメディアの利用が増えつつある現状をふまえ、文書・映像・音声などのデジタル処理やマルチメディアを用いたプレゼンテーション技術、マルチメディア教材の研究開発など、マルチメディア技術を研究・教育に活用するための基礎を構築し、同時にマルチメディアをはじめとするさまざまな形態のメディアを用いた情報や表現活動を批判的に解読するための方法を学ぶ。情報化時代に対応できる技術と言語文化リテラシーを追究する。

6.言語情報科学講座

言語情報科学論

情報科学の見地から、人間の活動の主要な部分を占める言語の仕組みや機能を解明・理解すること、また、その理解の上に、広く言語の使用・利用に関する有益な方法論やメカニズムを構築することを探求する。そのために、音韻論、語彙論、統語論、意味論、語用論といった言語学の各部門、および、これらのインタフェースや相互作用に関する諸問題、人間の知識・思考と言語との関係などに関して、論理的、数理的、計算論的といった立場から多角的にアプローチする。

理論言語学研究

生成文法をはじめとする理論言語学について、統語論、語彙意味論を中心に幅広く研究する。日本語と英語その他さまざまな言語の間での言語間対照研究についても、統語論的、意味論的な視点を中心に研究を行う。また、言語習得をめぐる諸問題についても、理論言語学の観点から研究を進める。言語学を自然言語に関する科学ととらえる立場から、言語の研究における科学的な論証の組み立て方といった方法論の問題を含めて理論言語学の様々な課題について研究、教授する。

言語構造論研究

主として生成文法、形式意味論などを中心とする言語に対するフォーマルなアプローチに立脚しつつ、言語構造の解析とモデル化について研究、教授する。言語に普遍的な側面のみならず、日本語、英語をはじめ個別言語の言語構造の解明についても、特に意味論的な視点を中心として研究を進める。このために、形式論理学の基礎についても教授し、方法論上の基盤を提供する。また、談話に関する意味論的な研究も積極的に取り上げ、高度な自然言語処理への適用などについても考究する。

コーパス言語学研究

コーパスを用いた言語研究の基盤を確立するために、テクストのサンプリングやタグ付与といったコーパス編纂における基本的な知識、コーパスからの言語情報の抽出やパターン分析に必要となる数理統計的手法について概説を行い、コーパス言語学の基礎知識を身につける。この基礎のもと、言語レジスタの変異、言語使用の通時的変化、テクスト類型論、文体統計学、辞書・語彙索引の編纂方法論などの事例研究を進める。また、電子化文献資料を収集・加工・編集するためのソフトウェアツールや統計処理言語について習熟する。

実験言語学

人間の言語情報処理過程を知覚と認知というレベルで捉えるという観点から、主として音声を対象に実験言語学について研究を行う。実際に様々な言語実験を行って研究を進めることはもちろん、実験にともなう各測定法の理論と実際についても学ぶ。さらに、母語話者と非母語話者との発音の違いを実験音声学的に解明して、外国語の学習に役立つ情報の抽出を行っていくなど、外国語教育への応用や、機械による音声言語情報処理への適用なども視野に入れつつ研究、教授する。

自然言語処理

自然言語をコンピュータで処理するための技術を論じ、技術の到達点と将来展望についての知見を養うことを目的とする。基礎となる言語理論を特に計算論の観点から検討し、これらをコンピュータ上で実現する代表的な計算アルゴリズムを提示する。また、計算の過程で利用されるコーパスなどの言語資源や、辞書や規則といった言語知識の構築や利用に関する数理的・論理的な手法について論じる。一方、サーチエンジンや機械翻訳といった身近な応用システムを通して、現状技術の到達点を理解し、言語学的・計算論的な課題を探る。

7.言語認知科学講座

言語認知科学論

人間がどのように外界を認知し、知識を獲得しているのか、またさまざまな情報を処理しているのか、言語の情報処理の観点から人間の認知的システムを科学的に捉えることにより、人間の認知メカニズムのひとつとしての言語能力の仕組みと働きについて研究、教授する。また、言語学においてこうした観点に立つ認知言語学について、理論的枠組みと具体的な言語研究への適用との両面にわたって研究、教授する。さらに、言語間の対照研究について認知言語学の立場からどのようなアプローチが可能かについても追究していく。

認知言語学研究

認知科学の方法論を言語研究に適用した分野としての認知言語学の方法を論じ、人間の認知システムに基づく言語研究の実際について研究、教授する。認知言語学の様々な理論的枠組みを幅広く視野に入れ、構文文法なども含めて、認知言語学全般について包括的に取り扱う。また、認知言語学の枠組みによる日本語、英語、フランス語などの個別言語の研究も中心的課題のひとつとして追究していく。さらに、認知言語学の理論的枠組み自体に関する研究も積極的に進める。

認知意味理論研究

認知言語学の観点から自然言語の意味論・語用論について研究、教授する。言語の意味解釈の過程に関わってくる様々な側面について、言語形式そのものの意味はもとより、推論の仕組みと働きなどについても幅広く考察することにより、言語の意味解釈メカニズムの解明を目指すとともに、さらに広く人間の認知能力・認知メカニズムの解明を目指す。また、意味解釈メカニズムの言語間対照研究や第一、第二言語習得における意味論上の問題についても、認知言語学の視点から新たな研究を進める。

認知レトリック論研究

人間の精神活動の重要な側面に深く関わる現象としての意味、レトリックなどを研究対象とし、人間の認知メカニズムについて幅広く探求する。メタファー、メトニミーなど様々な意味産出のメカニズムについて、認知言語学的観点から研究を進める。また、言語の通時的な研究についても、新たな意味産出のメカニズムの成立という観点から取り上げて研究を進める。自然言語の持つ共時的、通時的、さらには両者を統合した汎時的なダイナミズムを認知言語学の枠組みから解明することを目指す。

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