WǎnQīng Xiǎoshuō

晚清小说

清末小説(しんまつしょうせつ)


説明

 清末小説あるいは晩清小説とは、文字通り満洲族の王朝清朝の末期、20世紀の初めから、辛亥革命を経て中華民国が成立するまでの時期に書かれた小説を指すようである。 したがって、19世紀後半に書かれた文康の『児女英雄伝』、陳森の『品花宝鑑』、魏秀仁の『花月痕』は、清末小説には分類されないという。

 魯迅が『中国小説史略』において、李伯元の『官場現形記』、呉趼人の『五十年目睹之怪現状』、劉鶚の『老残遊記』、曾樸の『孽海花』を、「清末の譴責小説」という形でとりあげたことも関係しているかも知れない。 これらの作品は後に「清末の四大小説」と呼ばれることになる。

  清末小説は、通俗文学の流れのなかで、清朝時代の白話小説を引継ぎ、民国期の鴛鴦蝴蝶派を準備する位置にあると考えられ、そういう意味で重要なジャンルであるが、日本では、研究はそれほど盛んであるとは言いがたいが、専門的研究者による蓄積も一定行われてきている。以下に参考文献を挙げる。
 

参考書・研究書

『晩清小説史』 阿英著 飯塚朗・中野美代子訳 平凡社 1979.2.23
『清末小説閑談』 樽本照雄著 法律文化社 1983.9.20
『清末小説論集』 樽本照雄著 法律文化社 1992.2.20
『初期商務印書館研究』 樽本照雄著 清末小説研究会 2000.9.9
『清末小説叢考』 樽本照雄著 2003.7
『初期商務印書館研究 増補版』 樽本照雄著 2004.5.1

『清末小説』清末小説研究会編 1977年創刊、年一回発行

清末小説研究会ホームページ

作成:青野繁治