Li Boyuan 李伯元


李伯元小伝:

 李伯元はまたの名を李宝嘉という。清末の小説家。字が伯元、南亭亭長と署名してあるものもある。江蘇省武進の人。諸生。詩賦と八股文を得意とし、また印章を彫る技術にも長けていた。何度も省試を受けたが合格しなっかった。後に上海に至り、相前後して<<指南報>>、<<游劇報>>、<<海上繁華報>>、<<綉像小説>>などの新聞や雑誌を手がけた。彼の小説は、清の朝廷官吏の愚かしい腐敗や汚職を暴露しているところがあり、政治の傾向は改良派に近く、小説を厳しく非難した代表的作家である。

(『辞海・1965年版文学分冊』上海辞書出版社)

 清末の編集者、作家。名は李宝嘉、宝凱。号は南亭、南亭亭長。筆名に游戯主人、謳歌変俗人、願雨楼主など。江蘇省武進(今の常州)の人。山東生まれ。6歳の時、父を失う。1892年故郷に戻り秀才の資格を得る。96年上海に出ると『指南報』に関係、97年『游戯報』を創刊、詩を投稿してきた欧陽鉅源と知り合い、欧陽は李の有力な協力者となる。藝文社を創立し詩人と交流、永井禾原、西村天囚らともつきあう。1901年『世界繁華報』を創刊し「庚子国変弾詞」「官場現形記」を掲載する。「官場現形記」は、官吏の不正を描写して連載中より評判をよぶ。03年商務印書館の『繍像小説』を編集、「文明小史」(これも欧陽との共作。「老残遊記」から借用した部分あり)、「活地獄」(、欧陽が続作)などを執筆連載した。03年経済特科に推薦されるが辞退したという。その他編著『庚子蘂宮花選』などがある。06年肺病で上海に死す。

(樽本照雄『図説中国20世紀文学』中国文芸研究会編)


作品集・単行本

『官場現形記』 小説、繁華報館、1903.
『文明小史』 小説、 北京通俗文芸出版社、 1955.
『活地獄』 小説、 上海文化出版社、 1956.
『庚子国変弾詞』 小説、


邦訳

『官場現形記』 入矢義高、石川賢作訳、 平凡社、 1968.


作成:浅野和恵