
Sūn Lí 孫犂(孙犁)
そん り (1913- )
孫犁小伝:
小説家。本名、孫樹勛、河北安平の人。保定育徳中学に学ぶ。高級中学卒業後、北平で役所の職員や小学校の教員をする。1936年白洋淀地区の小学校教師となる。抗日戦争勃発後、冀中軍区抗戦学院、華北聯大で教鞭をとり、晋察冀通訊社、『晋察冀日報』、晋察冀辺区文聯などで編集の仕事に従事。革命文芸読み物「海燕之歌」「冀中一日」を編集、「区村和連隊的文学写作課本」(後『写作入門』、『文芸学習』と改名)を書き上げた。
1944年延安に至り、魯迅藝術文学院で働くとともに学んだ。抗日戦争勝利後、冀中へ行き土地改革に参加。
1939年に文学創作を開始後、短篇小説「荷花淀」「蘆花蕩」「麦収」「鐘」「碑」「囑咐」等、および論文「現実主義文学論」「魯迅論」、その他多くの散文を発表している。
1949年天津が解放されてのち、天津日報につとめるとともに、中国作家協会理事、作家協会天津分会副主席などを歴任した。建国後は、互助合作化を題材とする中篇小説「村歌」、抗日闘争生活を描いた長篇小説「風雲初記」および土地改革後の農村の新人物・新事物を描いた中篇小説「鉄木前傳」などを書いた。1958年に出版された「白洋淀紀事」は、彼の創作の風格を代表することのできる散文・小説集である。彼の小説は、多く冀中平原の農村における異なる革命時期の闘争生活を反映し、濃厚な郷土の息吹と時代精神を備え、プロットは自然で生き生きとし、言語は清新かつ優美、描写は細緻、抒情的雰囲気に満ち、詩的な情緒に富んでいる。1977年以後は主に散文と評論を執筆している。
(『中国現代文学詞典』上海辞書出版社1990)
作品集・単行本
『村歌』 中・短篇小説集 人民文学出版社 1961.11北京第一版1979.6湖北第一次印刷/0.72元 印数1-50000部
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参考書
『名家簡傳書系――孫犂』 郭志剛、章無忌/著 中国華僑出版社 1997.4/10.00元

作成:青野繁治