
小説月報
『小説月報』 1910年上海の商務印書館が創刊した文学雑誌。主編は惲鉄憔で、最初鴛鴦蝴蝶派の作品や林紓の翻訳小説を掲載していた。惲鉄憔のあと主編は南社グループの王蘊章(蓴農)に代わるが、次第に発行部数が低下した。沈雁冰が編集を担当するようになると12巻1号の「改革宣言」以後、「新文学」の雑誌に変身、1921年1月に結成された「文学研究会」と協力関係を結ぶことによって、誌面を一新し、発行部数を伸ばしたという。沈雁冰は商務印書館内部の保守派の圧力で2年で退陣し、鄭振鐸が編集の仕事を受け継いだ。また鄭振鐸のヨーロッパ行きに際して、1927年6月から1929年5月まで葉紹鈞が編集を代行した。1932年1月の上海事変に際し、日本軍の爆撃で商務印書館編訳所が焼失したことにより停刊となる。
作成:青野繁治