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20091029

大阪大学 言語文化研究科・外国語学部・サイバーメディアセンター
留学生センター・世界言語研究センター共催

 シンポジウム: これからの外国語教育


終了いたしました。多数ご来場いただきありがとうございました。

開催趣旨


 2007 年の大阪大学・大阪外国語大学の統合にともない、25 の専攻語をもつ外国語学部が本学に加わりました。従来の全学共通教育で行なってきた外国語教育も、第2 外国語の選択肢が増えるなど、新しいカリキュラムがスタートしています。他方で、CALL など情報通信技術(ICT)を生かした学習・教育の方法も広がり、多くの可能性を示しています。現在、大阪大学の外国語教育は、対象や方法や目的の多様化、担当部局や制度の多元化・多層化の時期を迎えているといえるでしょう。こうした状況を踏まえつつ、今回のシンポジウムでは、言語文化研究科、外国語学部、サイバーメディアセンター、留学生センター、世界言語研究センター協賛のFD 活動の一環として、これからの外国語教育の可能性と課題を考えていきます。

日時


   2009年10月29日(木) 14:00-17:00      
   ポスター: poster-2009symposium.pdf(0)

会場


   第1部 大阪大学 箕面キャンパス B 棟3 階CALL 教室
   第2部 大阪大学 箕面キャンパス 管理棟401 会議室   

     → 下の会場地図をご参照ください

プログラム

第1部 会場 大阪大学 箕面キャンパス B 棟3 階CALL 教室

開会挨拶 (14:00)
報告1 授業内外でのLMS 活用事例 (14:05)
竹蓋 順子 (サイバーメディアセンター・言語文化研究科言語文化専攻兼任/英語)

 本学の平均的な学生の英語熟達度レベルの現状と目標を比較したとき、そのギャップを埋めるためには相当の学習時間が必要となることが自明である。ところが、学生の授業に対する予習、復習時間は概して非常に短いことがアンケート調査により判明している。この予習、復習時間をいかに作らせるかが重要な課題の1つと言えるだろう。また、50人近く受講生がおり、コンピュータとモニタがひしめくCALL教室で行う授業では、クラスが一体化する雰囲気を作りにくいという問題もある。
 本報告では、本学サイバーメディアセンターマルチメディア言語教育研究部門が中心となり開発を進めてきているLearning Management System(LMS)であるWebOCMやWeb4uを活用し、いかにして授業時間外の時間を活用させ、さらにクラス内のコミュニケーションを活性化させうるかという事例を紹介する。
報告2 CALL教室における市販教科書の活用例 (14:25)
ヨコタ・ジェリー (言語文化研究科言語文化専攻/英語)

 この英語テキストは「阪大標準の英語」の一端を示すようなテキストとするために、渡部眞一郎教授をはじめ言文教員12名の共同作業により完成したものである。反復して聴くにたえる内容をもったものとし、英語リスニングの能力の向上だけでなく、アカデミックなトピックについての知識、理解を深めることができるように、CDを添付した。平成21年度前期の本学の共通教育英語の20以上の授業において本教科書が使用された。
 本報告では、CALL教室ではこのような教科書の効果的な活用について一考察を述べた上、改めて1学期の試行錯誤を振り返り、メイン教材あるいは補足教材として繰り返し使う可能性について述べる。
報告3 留学生に対する日本語教育におけるIT の利用について (14:45)
難波 康治 (留学生センター・言語文化研究科言語文化専攻兼任/日本語)

 近年、留学生においても、PCやゲーム機、携帯端末などの電子でバイスに親しみ、また、幼少時よりインターネットを利用することが一般的になってきている。ITリテラシーについては以前に比べて非常に高くなっており、実生活の中で電子デバイスを利用する機会は非常に多い。しかし、それを語学教育で積極的に利用したという経験はあまりないようである。一方で、教育する側のスキルが学生のレベルに追いついておらず、すでにネット上にあり、手軽に利用できるリソースもうまく活用されていないという現実もある。
 本報告では、留学生に対する日本語教育において、既存のITリソースを導入した経験から、すでに普及しているITリソースをどのように利用しているかを紹介する。
 また、留学生センターおいて現在開発を開始しているIT技術を効果的に取り込んだ新しい教育システムについても触れる。


第2部 会場 大阪大学 箕面キャンパス 管理棟401 会議室

報告4 フランス語初級文法の授業の今とこれから (15:20)
岩根 久 (言語文化研究科言語文化専攻/フランス語)

 現在、大阪大学共通教育でのフランス語教育は、第2外国語の枠内での文法・読解を中心としたプログラムと国際教養科目として文化理解・コミュニケーションを中心としたプログラムを併用している。後者のプログラムは授業内容の多様性を重視する一方、前者のプログラムにおける初級文法の授業は、統一文法教科書の使用、共通試験の実施等により、いわゆる平準化を指向している。
 本年度のフランス語初級クラスの受講者は再履修生ほぼ一割弱を含む約900名の学生を抱えており、全学におけるフランス語の需要は決して少ないとはいえない。このような状況で、一定の目標を設定した文法基礎能力養成をどのように行ってゆけばよいのか、また、CALL教室の特性を生かしながら、どのように授業を活性化していけばよいのかを考えたい。
報告5 携帯電話で利用可能なロシア語教材について (15:40)
上原 順一 (言語文化研究科言語社会専攻/ロシア語)

 携帯電話を利用している学生は非常に多いように思われます。この携帯電話のネット接続機能を用いて授業や自習の場で利用な可能なロシア語教材について発表します。具体的には、携帯電話でもパソコンでも利用できるPerl/CGIの実例と携帯電話用のFlashコンテンツについて言及します。前者としては簡単な単語集や問題集を、後者としてはロシア語で時刻を表示するアナログ時計をご紹介する予定です。また、Flashコンテンツを作成する際に発表者が経験した問題点や、学生が携帯電話でネットに接続している状況などを調べたアンケート結果についても触れます。なお、発表には必ずしも最新とは言えない資料が含まれることをあらかじめお断りいたします。
報告6 専攻語としての外国語教育の多様性 (16:00)
竹原 新 (世界言語研究センター/ペルシア語)

 外国語学部における専攻語教育は語学の習得だけで完結するものではない。専攻する言語を様々な状況下で効果的に運用するためには、専攻語が話される地域の文化、社会、気候、その土地の人々の価値観といったことも学ぶ必要がある。これらの学ぶべき点が世界諸地域で多様である以上、各専攻語における教育の方法や方針も一様とはならないこともある。ある専攻語では必要不可欠な知識や能力が、別の専攻語ではさほど重要ではないということもあり得るのである。専攻語の教育方法には、専攻語間で共通する部分とそうでない部分がある。今回はこういった視点も交えながら、近年のペルシア語専攻で授業を担当した際に行った教育に関する取り組み事例を紹介する。また、専攻語で1・2年次に行う語学の実習や3・4年次に行う語学の演習の授業で、各専攻語における個別の状況や問題に柔軟に対応できるようにするには何が必要なのかを考えていきたい。
パネルディスカッション (16:25-16:55)
パネリスト:竹蓋 順子、難波 康治、岩根 久、上原 順一、竹原 新
閉会挨拶 (17:00)
 

会場地図