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設備

 平成6年に大学院言語文化研究科の研究棟が完成した。建物の内部には世界から発信されたテレビの映像をキャッチする衛星放送受信室、音声実験のための無響室、映像資料の実習に用いる映像メディア演習室、言語情報や音声情報をコンピュータで処理する情報処理端末システム室など、言語文化の研究教育に必要とされるさまざまな装置や設備が設置されている。外国語教育研究部門の設備として、視聴覚教育施設を有している。

衛星放送受信室


衛星放送受信アンテナ

 言語文化部研究棟の屋上には、直径3メートルのパラボナアンテナ2基、1.8メートルのパラボラアンテナ2基、75センチメートルのパラボラアンテナ1基が設置されている。また、言語文化研究科棟の屋上には、1.8メートルのパラボラアンテナ1基が設置されている。

 これらのアンテナは、インド洋上の静止軌道に位置している放送衛星からのテレビ電波を直接受信するためのものであり、それぞれ、IntelSat 8(オーストラリア)、Express AM3(ロシア)、AsiaSat 5(香港)、AsiaSat 3S(香港)、Koreasat 3(韓国)、ChinaSat 6B(中国)を受信している。

 これらのテレビ電波は日本の視聴者のために送られているものでは勿論ない。中国やロシアがそれぞれ広大な国土をカバーする目的で、あるいは国際的なメディアが特別な商業用の用途で発信しているものである。われわれが受信しているのは本来の視聴者に向けられた部分からはみ出した電波でもあるが、このことはアジアにおいても国境がいまや電波によって簡単に乗り越えられていることを示している。

 このパラボナアンテナを介して衛星放送受信室で現在視聴できるチャンネルをあげておこう。まずChinaSat 6Bでは、中国中央電視台の13のチャンネルをはじめ、福健電視台、山東電視台、四川電視台、上海電視台、北京電視台など、数多くのテレビ放送が視聴できる。IntelSat 8では、英語学習者に人気の高いBBS WorldやNHK World、Australia Networkなどの英語の番組に加え、韓国、台湾の番組を視聴することができる。AsiaSat 3Sでは、Channnel News Asiaなどの英語の番組の他、TV 5 Monde(フランス語)、DW-TV(ドイツ語)など、多数の言語の番組を視聴することができる。

 このパラボナアンテナを通して、われわれは国際社会の政治経済から文化まで、現在の動きや状況をオンタイムで知ることができるし、アンテナを通して送られてくる映像やことばは、言語文化の研究教育に大いに利用されている。

無響室


 周囲の雑音をカットできるため、音声知覚実験や音声を収録するのに最適な部屋。音声知覚の特性は,外国語教育にも重要で、日本人の音声知覚の方略と、外国語の音声の特徴を知れば、効果的な外国語教育が可能になり、文字偏重の外国語教育から、音声等を組み込んだマルチメディア教育への移行に役立つ設備である。


映像メディア演習室(ミニ・シネマ)

 言語文化部研究棟3階には平成11年度より映像メディア演習室が設置され、主に言語文化研究科の授業における映像教材の映写室として利用されてきた。平成15年度には総長裁量経費を受けて、基本性能を大幅に向上させるとともにデジタル環境を整備し、愛称「ミニ・シネマ」として生まれ変わった。
 家庭で手軽にホーム・シアターが楽しめ、液晶プロジェクターのある教室が珍しくない時代だが、「ミニ・シネマ」には映写専用室ならではの設備が整っている。定員20名程度の小教室にして、画面の明るさは4500ANSIルーメン、パソコン入力であればスクリーン上でSXGAレベルの解像度を得られる。25cmダブル・ウーファーのメイン・スピーカーを中心とした5.1chオーディオ・システムは、映画館並みの音質を誇る。呈示・再生できるソースとしては、パソコンの他にVHS(世界対応)、DVD(世界対応)、DVD-R/RAM、miniDV、LD等があり、さらに将来の新しいメディアのための拡張性をも備えている。システム・コントローラーによる操作は簡単で、誰にでも使えるようになっている。またいずれのソースからのデータも、パソコンに取り入れて自在に編集・加工することが可能である。
 現在「ミニ・シネマ」では、映像を用いた異文化理解の授業、映画史・映像史の授業、談話分析の授業、上映会等が行なわれている。機械処理による映像分析や映像を用いたプレゼンテーションの技術がさらに発展するにつれ、言語文化研究において映像テクストが果たす役割はますます重要性を増すに違いない。今後「ミニ・シネマ」は言語文化部・言語文化研究科における教育・研究のこうしたニーズに応えてくれることが期待される。
 ついでに述べるならば、ソフト面でも総長裁量経費などを利用して、DVDによる映像資料もかなり充実したものになっている。

情報処理システム端末室


 307室(電子コーパス分析システム)


計算機

PowerMac G5 2.5GHz Dual x 1; PowerMac G5 2GHz Dual x 2 (一台はMac OS X Server 10.3.8搭載のLDAP認証・ファイルサーバ、もう一台はNetBootサーバ). クライアント機はPowerMac G5 1.6GHz Single x 2; iMac G5 17" 1.6GHz x 5; PowerMac G4 (400MHz ~ 1.25GHz Dual) x 5; iMac 15" 1GHz x 3; Mac mini 1.42GHz x 5。クライアント機は全てMac OS X 10.3.8(2005年3月)でNetBoot(ネットワークイメージによる起動)、XserveG5サーバでLDAPv3によるユーザ認証を行う稼働形態を取っている。他に、BNC SARA serverおよびBNCweb serverとしてTurboLinux搭載のIntel CPUワークステイションが、また自動品詞タグ付けシステムのCLAWS4およびLT-CHUNK用サーバ機としてSun Ultra 10 (Solaris 8)がそれぞれ稼働している。クライアント側ではOffice 2004 for Mac, iWork 2005, Adobe Creative Suite, Text Wrangler, Speed Search, DeltaGraph Pro 5.5, 統計解析言語環境RなどMac OS用アプリケーションの他、X11, Tex環境, chasen等の形態素解析ツール、検索エンジンnamazu, MySQL, 自動品詞タガー(Brill Tagger)などのUNIXツール実行環境、BNC, ICAME Corpus Collection 2 他の電子化言語資料が利用可能である。

高性能ブックスキャナー

MINOLTA EPCWIN 7000 。書籍入力に適した湾曲や文字のゆがみを自動的に補正。高度なネットワーク融合を果たし、接続したPCから、撮影したデータのメール送信やFTPサーバへのアップロードが可能。またWebサーバ機能を持っているので撮影した画像データをLAN内から閲覧する事も可能( コニカミノルタによる製品解説 http://konicaminolta.jp/products/business/micrographics/epicwin.html)。テキストデータの電子化(光学式自動文字認識/Optical Character Recognition)に使用。

 502室、607室

計算機

Windows XPモデルのクライアント機を16台ずつ設置。Office 2010、統計解析言語環境Rなどを利用することが出来る。Xserveサーバ上ででSambaを通じて、ファイル共有やドメイン参加などのユーザー管理を行っている。

印刷機
モノクロレーザープリンタに加え、502室にはカラーレーザープリンタを2台を設置している。

スキャナー
Canon ScanLiDE200を1台ずつ設置している。

視聴覚教育施設


 言語文化研究科は、外国語教育研究部門の設備として、L教室4室、LL編集室1室を有しており、全学共通教育の教室21室も簡易LL教室として利用している。LL教室にはオーディオ、ビデオ、レーザーディスク、MD、DVDなどの機器が設置されている。
 

 LL教室


 いずれもブース間に隔壁のないオープン方式で、すべて共通教育管理講義棟A棟2階(204教室・205教室)、3階(304教室・305教室)に設置されている。ブース数は各60、ブース・毎にカセットレコーダーを備え、4台の天井吊りモニターテレビとマルチスクリーン・オーディオ機材(カセットテープ、CD、MD)・ビデオ教材(Beta・VHS、レーザーディスク、DVD)が使用できる。マスターコントロール(教師用制御台)には教材実物投影機のカメラ、マイコン内蔵の成績集計・分析アナライザーが装備されている。

 簡易LL教室


 共通教育棟ロ号館に6教室、イ号館に7教室、A棟に7教室、B棟に3教室が設置されている。すべての教室でビデオ教材(VHS)、オーディオ教材(カセットテープ)とワイヤレスマイクが使用でき、教卓の手元ですべての操作ができる。

 LL編集室


 LL編集室ではLL教室の機器管理・教材管理およびオーディオ編集、ビデオ編集を行っている。また、LL教室の教室管理も行っている。各種のオーディオ機器、ビデオ機器を備えていて・教材や授業の準備を行うが、教材類は、市販のソフトの他、テレビ(衛星放送も含む)のニュース・ドキュメンタリー、外国語の映画あるいは日本語との2か国語の映画なども活用している。2004年4月現在の教材類の所蔵は、カセットテーブ約1150巻、レコード約200枚、ビデオテープ約2100巻、レーザーディスク約1500枚、DVD約600枚である。通常は、年間でオーディオテープが60巻、ビデオテープが100巻程度増えている。なお、テープ類で古くなっているものは、各関係講座に保管されているが、この数は約2000巻に及んでいる。