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旧博士前期課程授業科目概要

【理論・分析講座群】

 言語文化国際関係論講座

言語文化国際関係論

国際化時代における我が国の言語文化的未来を占う指針とするため、多言語・多民族社会の言語計画、言語文化政策およびその実際的運用と、政治的・外交的・経済的な国際環境がそれらに及ぼす影響を調査・検討する。

比較言語文化論

各国・各民族のもつ言語文化の通時的・共時的諸相を比較検討して、相互の共通点・相違点を追究する。さらに各種言語文化がより大きな時代精神を体現し、国家や民族の枠組みを越えて国際的な広がりを示しつつ、ついには普遍性へ向けて変容していく過程を考察する。

言語文化生態論

異言語文化接触のもとで発生する「多言語使用」・「文化変容」・「語彙借用」・「言語取り替え」などの現象とそれに伴う意識の変化を、多民族国家における言語問題やマスコミ用語の調査などに基づいて考究する。

言語文化交流論

日本と諸外国との言語文化の交流を例にとり、それが語学教育、文学、演劇、ジャーナリズム、および科学技術用語や日常語などの分野でどのような形で進められ、国際的な相互理解に役立ってきたかを検証するとともに、言語文化交流のあり方と対応を考究する。

 言語コミュニケーション論講座

言語コミュニケーション論

諸言語における言語行動の対照研究を通して、異言語文化間で発生するコミュニケーション・ギャップの実際を考察するとともに、そのギャップを越えてコミュニケーションが成り立っていく過程ならびに要因を追究する。

言語運用理論研究

音声学・音韻論および語彙論・統語論を基礎として言語能力と言語運用の関連を追究し、言語運用の実際に基づくデータを意味論・語用論の立場から分析して発話の構造を考察するとともに、人間の認知能力・認知メカニズムの解明をめざす。

言語技術特殊研究

実際のコミュニケーションの場で使用されるさまざまな手段のありようについて幅広く資料を収集して分析するとともに、異文化間の高度な言語コミュニケーションを成り立たせるための技術および理論についての研究指導を行う。また、日本語が国際語として機能するための基本的条件を検討する。

認知言語学研究方法論

認知科学のひとつとしての認知言語学の方法を論じ、人間の認知システムに基づく言語研究の実際について研究指導を行う。

 言語情報科学講座

言語情報科学論

現代言語学と情報理論の関係、自然言語と人工言語による意味記述における論理式の研究を通して、コンピュータによる自然言語処理の可能性を探る。

理論言語学研究方法論

生成文法を始めとする理論言語学の方法を論じ、言語研究における科学的な論証の組み立て方の実際について研究指導を行う。

言語構造論研究

自然言語の機械翻訳におけるデータの事前処理、事後処理などに必要となる言語構造の解析とモデル化について研究指導を行う。

実験言語学

機械による音声言語情報処理とともに、人間の言語情報処理過程を、知覚と認知というレベルで捉えるさまざまな言語実験を例示し、それらの実験にともなう各測定法の理論と実際について指導する。

 地域言語文化論講座

西洋古典語文化論

現代の国際社会において不可欠とされる高度の教養として、西欧言語文化の原点になるギリシャ・ラテンの言語と文化に対する知識と理解を深める。

英・米語圏言語文化論

英国社会の伝統と米国・豪州などにおける開拓者精神、これらが現代世界においてどのような文化を生み出し、国際社会をリードしつつあるかについて考察する。

ドイツ語圏言語文化論

ドイツ、オーストリアおよびスイスを含むドイツ語圏を対象として、そこに生きる人々の文化を探るとともに、それが国際社会において果たしつつある役割を明らかにする。

ロマン語圏言語文化論

フランスを始めとするロマン語圏の歴史、地理、社会、政治、経済、技術、文化の全般にわたって考察し、国際教養人としてもつべき知識を習得させる。

スラブ語圏言語文化論

ロシアならびにスラブ語圏諸国が抱える言語と文化に関する諸問題を取り上げ、それが国際社会に対してどのような影響を投じているかを追究する。

【応用・実践講座群】

 応用言語技術論講座

応用言語技術論

コンピュータ技術の高度化とメディア環境の多様化を踏まえ、情報化時代にふさわしい研究・教育のための一般理論を講じる。自然言語などの複雑な情報システム、紙および電子媒体による情報のコード化・脱コード化、さらにこれらの情報リソースの重層的な組織化・制度化を、さまざまなアプローチから解析し、教育的実践や発展的応用に向けた理論化を行う。

電子化言語資料論

電子化された言語資料(コーパス)は語法や文体の記述から談話研究、辞書編纂など様々な領域で重要なリソースとなっている。本科目では言語文化学の諸分野において応用性の高いコーパスや事典・辞書・語彙索引の編纂理念・方法論を研究すると共に、情報処理や統計学の知見を高度に応用したコーパス分析を行い、使用域間の言語変異や通時的言語変化の諸相を究明する方法論を開発、同時に電子化資料全般と冊子体資料の関係を再考察し、両者の相補的利用を促進するための方法を学ぶ。

文献資料技術論

人類の歩みとともに形成され、現在に残された学術資料、文芸作品等の記述言語を対象に、書誌学・文献学に基づいた伝統的な研究方法はもとより、コンピュータを用いた最新の研究方法に至るまで、その研究の基礎となる理念および技術を論じ、応用分野の構築を目指す。

応用マルチメディア論

近年教育や各種メディア、芸術表現の世界でマルチメディアの利用が増えつつある。本科目では、文書・映像・音声などのデジタル処理やマルチメディアを用いたプレゼンテーション技術、マルチメディア教材の研究開発など、マルチメディア技術を研究・教育に活用するための基礎を構築し、同時にマルチメディアをはじめとするさまざまな形態のメディアを用いた情報や表現活動を批判的に解読するための方法を学ぶ。

 現代超域文化論講座

現代超域文化論

共存・協調の新世紀において日本などいわゆる先進諸国が然るべき国際的役割を果たすには、その他の諸地域とのグローバルな連携協力関係が必須である。この科目においては、そのような諸地域の諸問題を固有の地政学的位置における伝統文化と外来文化の相関といった視点から検討するとともに、そのような国際理解に必要とされる言語文化に関する高度なリテラシーを養成する。

ジェンダー論

フェミニズム、ジェンダー、セクシュアリティに関する研究を基礎とし、社会と文化に顕在あるいは潜在する性差の構造をめぐる諸問題を分析・考察する。言語・メディア・芸術・学校教育・労働・家族などの生活の各領域、また開発・国際協力・政治などの国際的領域にも目を向けることで、既成観念にとらわれずこれからの男女共同参画社会に寄与できる、言語文化に関する高度なリテラシーを備えた人材を育成することをめざす。

言語文化メディア論

現在、従来の文字、音声のみならず、グローバルな規模で複合的に展開し、世界各地の言語文化に多大な影響を及ぼしているテレビ・映画・新聞・雑誌・インターネットなどの情報メディアを、言語機能や表象機能の側面から検証し、次世代における新たなメディア・リテラシーの方向性を探る。

現代社会文化ダイナミクス論

現代の都市環境や文化産業が生産する消費文化や、ポピュラー・カルチャーないしサブカルチャーなどの現代文化の動態をフィールドワークなどにより観察・分析するとともに、カルチュラル・スタディーズを始めとする現代文化理論に基づいて、それらの言語文化と社会的諸条件との相互関係を考察する。

 言語文化教育論講座

言語文化教育論

言語と文化の本質的な関係、言語教育における社会的要因、母語教育と異言語(第二言語および外国語)教育の関係、教育活動の総体における言語教育の位置づけ、異文化理解教育やグローバル教育における言語教育の役割、言語文化教育の学問的性質などの諸問題に関する分析をはじめとして、言語文化教育論の体系と基本的問題について考察する。

異言語教育方法論

外国語教育・第二言語教育における種々の教授法の理論的基盤について言語学・心理学・教育学などの関連分野の知見を援用しながら分析するとともに、教授法における体系化された手順としてのメソッドや、教育機器の活用をも含む具体的な教授技術などについて考察する。また、外国語教育・第二言語教育における教材、そして教材の配列や教授内容の編成に関わるシラバス、さらに評価の基盤となるテスティングなどについて、理論と実践の両面からの考察を行う。

言語表現生態論  

日常言語やテクスト化された言語表現を対象に、話者の選択による表出と聴者の推論による受容の双方向から、多層的に構築されたテクスト、コミュニケーションの構図を分析する。対人レベルのみならず、それらを取り巻く社会や文化との関連において、バリアフリー社会のためのコミュニケーション研究に寄与することをめざす。また、国際的な情報交流に際しての文書記述・スピーチ・翻訳・通訳など、実際的場面における言語運用を習得させ、かつこの分野における高度専門職業人の育成を図る。

応用言語学特論

言語教育のための基礎理論を追究する。とりわけ外国語教育の意味と方法に関して、非言語的な要素と言語行動、意味と思考または生活様式、行動様式と言語使用、言語習得の過程、教授法・カリキュラム・教材などを含めた言語指導の実際など、言語学習に関する実践的理論の成果をふまえ、歴史的・国際的視点をもとり入れ、多角的に検討する。