!!大学院の授業 研究実践基礎 !月曜5限・ ! 授業の目的 研究の基礎を学ぶ ! 授業内容 4月13日 今日は、まず「研究とは何か」という問いについて各自で考え、グループになって議論してみた。 何人かに聞いたところ、「まだ明らかでないことを、何らかの方法で、明らかにすること」 というような答えがあったが、パワポでは「客観的な根拠に基づいて」という文言があったので 客観的とはどういうことなのかを議論した。その後、「勉強と研究」の違いについても議論し、 そのあとで「メタ言語的な説明」ということも明らかにした。さらに研究とは論文を書くことである、 というようなところから、論文とは何かとか研究のタイプについて説明した。しかし、後から 考えると、私が少ししゃべりすぎたようだったので、次回は、もう少し、お互いで議論できることを 増やしていこうと思った。また、ズームとパワポとロイロノートの組み合わせをすることはできなかった。 4月20日 今日は、資料の収集について議論してみた。今日は、資料の収集にとって一番大切なのは何か、 ということについて話した。キーワードが最も大切である、という意見があったが、ある キーワードで検索すると、数百万の関連するサイトや論文が出てくる。それらすべてを 見ることは、もはや不可能であろう。とすると、自分で何を研究するのか、その対象を 明確にして、その領域でのもっとも重要と思われる文献を読むことが大切である、ということを 話した。もちろん無名の人の論文も読むとよいが、やはり有名な人の論文はそれなりに 内容があるので、おすすめしたい。また、良い論文を見分けるためには悪い論文も 読む必要があるので、できるだけ多くの論文を読んで、自分にあったものをみつけるとよい。 次回は、2つのグループに分かれ、3回くらい議論を重ねてみたい、とのことであった。 また、議論をするときの質問の答えになるようなヒントが欲しいという意見もあった。 4月27日 今回は、2つのグループに分かれ、3回ほどぎろんした。まず研究テーマでもっとも 大切なのはなにか、質的と量的研究のうち、重要なのはどちらか、そして自分たちで 現時点での仮説を考え、ロイロノートに書いてもらった。まず研究テーマでもっとも 大切なのはなにかに関しては、やりたいことが大切なのではないか、という話をした。 とは言え、他のやれること、やるべきことも大切であることも確かだ。また、 質的と量的研究のうち、重要なのはどちらかに関しては、研究によるので一概に そのように問うのはナンセンスであるという話をした。つまり問いそのものがおかしい、 そういう批判精神を養うべきであることを伝えた。仮説については、添削して ロイロノートで返信した。 5月11日 まず、前回の仮説について、「良い教材は学習者のモチベーションをあげる」という のを例に、このような仮説だと方法論上難しい部分が生じるかもしれないということを 指摘した。つまり、良い教材を探すうえで、学習者のモチベーションをあげるものを 探してしまう、という方法である。それは、トートロジーになってしまい、論文に なりにくい。また修士論文に求められるものとして、独創性、継承性、実証性、 論理性、明晰性というものがあるが、この中で一番大切なのはどれか、ということを 議論した。また、これ以外に大切なのは何か、についても考えてみた。前回の 復習として、どれも大切、という答えが妥当であろうという話をして、これ以外に 大切なのは、「やる気」とか「熱意」のようなものである、という話をした。 やる気のない人の論文は、どんなに論理的であってもつまらないからである。 5月18日 今回は、問題意識について話した。どんな問題意識によって、皆さんが研究をしているのか それは、論文の「はじめに」の部分で書くようなことであろう、ということを話した。 もちろん、そのように書かなければならない、ということではないが、そのように書くと なぜ、その人がその問題に関心を持っているかが明らかになり、読む方としても 読みやすくなると思う。そして、最後に「問題意識」について書いてもらった。 5月25日 今日は、まず前回かいてもらった問題意識について、議論した。特に、問題意識と 論文の目的というのを混同している人が多くいた。問題意識はなぜ、その問題に 関心をもったか、であり、目的は、その論文で明らかにしようとすることである。 したがって、問題意識の方が広い領域でよく、目的は狭い課題がよいと思われる。 その後、皆さんの研究にとって、どのような方法論が有効と考えられるかについて 議論し、最後にコメントした。 6月1日 今日は、まずこの日までに送られてきたレポートについて1ページほどアカをいれておいたので それについて話した。日本語の問題もあるが、繰り返しをしないとか、できれば、これまで学んだことを 取り入れて書くとよいということについて話した。その後は、研究倫理であったが、それについても 報告書を書く際に読んだものをみて、どんなことをしてはいけないか、どんな問題が考えられるか ということについて話した。最後に、皆さんの研究は、まだ始まったばかりなので、まだまだ 変更の可能性はあるので、博士までいくのであれば博士論文を見据えて、修士論文の テーマを考えるべきであることを伝えた。