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Sprachbarriere

言語障壁理論

バーンスタインの階層特有のコードという考え方に基づく理論で、ある種の言語がある特定の階層に依存して用いられているため、その種の言語を用いないと社会的に進出していくのが困難になる、という考え方。1960年代前半にバーンスタインはそれ以前に使用していた形式的言語と公共的言語という不明確な区別を改め、言葉の使用法を精密コードと限定コードの二つに分類できると唱えた。精密コードは、主に中産階級の用いるコードであり、聞き手の知識に依存することがすくなく、学校で要求される言葉の使用法に一致する。これに対して、限定コードは、労働社会級のコードであり、聞き手と話し手が共有する知識に依存する割合が大きい。精密コードは、語彙数が多く、複雑な文型を使用し、慣用句の使用が少なく、意味が分析的で抽象的であるという特徴をもつ。限定コードは、比較的不明確な言語使用であり、構造が単純化されており、語彙数は少なく、具体的で記述的な意味を現す。

バーンスタインによれば、労働者階級の人々が制限コードしか用いないのに対して、中産階級の多くは、制限コードばかりでなく、洗練コードも使用できるという。