
1964年の1年で『六個夢』『煙雨濛濛』『幸運草』『幾度夕陽紅』『菟絲花』『潮声』の6冊を出版した。その内、『菟絲花』、『煙雨濛濛』そして『六個夢』の中の2つの短編を改編した『婉君表妹』『唖女情深』はすべて1965年に映画撮影、上映され一大センセーションを巻き起こした。1979年平xin涛と結婚する。瓊瑶が創作に打ち込んだ30年に発表した小説は40数部にも及び、長編小説が主である。好評を博し、影響が比較的大きいものに『窓外』『煙雨濛濛』『幾度夕陽紅』『彩雲飛』『白狐』『心有千千結』『在水一方』『我是一片雲』『月朦朧、鳥朦朧』『雁er在林梢』『彩霞満天』『聚散両依依』『問斜陽』『昨夜之灯』などがある。その中でも『幾度夕陽紅』と『彩霞満天』は彼女自身が特に気に入っている作品である。
作品の多くは愛情を主題とし、濃厚な感情の色彩を帯びている。小説には中国式人生、人情味、伝統的論理道徳が描かれ、現代意識と固有の伝統的考え方、芸術美意識が融合し一体になろうとしている。物語の構成は巧みで、文章のスタイルは繊細かつ上品で、変化に富み誤解が満ち溢れた状況、そしてすっきりとした悲喜、離合の内容の中に、親情、恋愛感情、友情を織り成している。また、優美な詩の言葉をよく用いて主人公のこまやかな感情を訴え、清麗で俗っぽさがなく、みやびやかで人の心を打つという特徴を増している。このことは彼女の作品が少年少女、青年学生に好まれた原因である。彼女の作品は幾度も映画化されている。また彼女自身は火鳥電影公司と巨星公司を相次いで設立し、『月満西楼』『幸運草』『我是一片雲』『奔向彩虹』『月朦朧、鳥朦朧』などを自ら脚色し、監督撮影した。のちに観衆の興味の移り変わりにより『昨夜之灯』をとり終えた後、映画は撮らず、小説を売って人に撮影させることもやめた。



![]() | 『夢語り六章 瓊瑤作品集1』 田宮順/訳 現代出版 1984.11.20 \970 | ![]() | 『銀狐 瓊瑤作品集2』 しばたまこと/訳 現代出版 1984.11.20 \970 | ![]() | 『窓の外 瓊瑤作品集3』 北川ふう/訳 現代出版 1984.11.20 \970 |
![]() | 『寒玉楼』 近藤直子/訳 文藝春秋 1993.10.25 \1900(本体\1845) | ![]() | 『我的故事(わたしの物語)』 近藤直子/訳 文藝春秋 1993.10.25 \2500(本体\2427) | ![]() | 『恋恋神話(ふたたびの春)』 長谷川幸生/訳 早稲田出版 1996.3 \1600(本体\1553) |