Wang Guowei 王国維
(1877−1927)


王国維小伝:

 字は静安、また伯隅とも。号は観堂。浙江省海寧の人。清朝の秀才である。若い頃ドイツ観念論哲学の影響を受けた。1903年から通州、蘇州等の師範学堂で授業をもち、哲学、心理学、論理学などを講義した。1907年から学部図書局編集の職に就き、中国戯曲史と詞曲の研究に従事する。「曲録」「宋元戯曲考」「人間詞話」の著がある。小説と戯曲の文学史における位置を重視し、戯曲史研究の気風を築いて文芸界に大きな影響力をもった。辛亥革命後は清朝遺老を以って自任した。1913年から中国古代史料、古器物、古文字学、音韻学などの研究に従事し、とりわけ甲骨文字、金文などの考察に力を入れた。1925年清華研究院教授となり、古代史研究のほか、西北史、蒙古史史料の整理校訂作業にも従事した。1927年頤和園の昆明湖で投身自殺。62編の著作のうち42編が『海寧王静安先生遺書』に収められている。また考証の文は『観堂集林』に集められた。

著書

『静安文集』
『人間詩話』
『観堂集林』

邦訳

『宋元戯曲考』井波陵一/訳注 平凡社 1997


作成:青野繁治