Su Manshu 蘇曼殊

(1884−1918)



蘇曼殊小伝:

詩人、小説家、翻訳家。本名は宗之助、字は三郎、後に改名し玄瑛、字を子穀という。広東香山籍。生れは日本の江戸。母は日本人。父は広東商人で姓を蘇といい、早くに死去。1888年に蘇一家に広東に連れ戻される。かつて香港にて学ぶ。1895年、僧として広州長寿寺に入る。法名は博経、号を曼殊という。1896年、日本の省田で、美術並びに政治、軍事を学んだ。1903年、中国に戻り、杭州霊隠寺に住み、その後上海にて陳独秀、章士金リらと知り合う。《国民日報》に寄稿したり、蘇州呉中公にて教員を務めた。“蘇報案”発生後、愛国精神に燃え、ユーゴーの《レ・ミゼラブル》より訳し、小説《惨世界》を14回発表した。詩歌、エッセイなども発表した。1904年シャム(現在のタイ)に赴きセイロンなどのサンスクリットを学び、仏教学を研究し、著書に《梵文典》、《初歩梵文典》、《梵書摩多体文》などがある。その後、南社に参加する。1913年《討袁宣言》を発表。袁世凱の君主制復活の後、小説を書き風刺した。そして陳独秀の創設した《青年雑誌》に論文を発表、“封建主義に反対する決心と資産階級民主”、“自由の理想”を表明した。その詩歌や小説の多数は辛亥革命から五四運動までの7−8年間に発表された。《断鴻零雁記》、《天涯紅泪記》、《絳紗記》、《焚剣記》、《碎簪記》、《兆夢記》等の小説は、平易な文章でもって青年男女の愛情、悲劇を描き、封建主義に対する不満を表現した。しかしムードはセンチメンタルなものである。彼は多方面での芸術的才能を持ち合わせ、著述は豊富で詩、文、小説、絵画、翻訳等の方面で等しく成果を表した。


作品集・単行本


『曼殊大師紀念集』柳無忌編 、香港正風書店 、1953. H.K.$5.00
『曼殊大師全集 』文公直編 、 文淵書店 、H.K.$7.00
『蘇曼殊全集』 柳亜子編 、北京市中国書店 、1985.
『蘇曼殊全集 』 柳亜子編 、北京市中国書店 、1985.
『蘇曼殊全集 』 柳亜子編 、北京市中国書店 、1985.
『蘇曼殊全集 』 柳亜子編 、北京市中国書店 、1985.
『蘇曼殊全集』 柳亜子編 、北京市中国書店 、1985.
『民権素筆記薈萃 』 蘇曼殊[ほか]著、山西古籍出版社 、1997.


  

『曼殊大師記念集』  『曼殊大師全集』


邦訳

『断鴻零雁記,蘇曼殊 人と作品』飯塚朗訳、平凡社 、1972.

作成:吉田あきえ