Mu Mutian穆木天


小伝: 詩人、翻訳者。本名、穆敬煕、吉林省出身。

  初期の詩作はフランス現代派の詩作に影響を受けていたが、後に大衆的な詩歌の創作に転向、
 詩の民族的な形式と大衆的な風格の探索に努力し、詩と現実の緊密な関係を追及する。 

1918年 日本に留学、東京第一高等学校の予科に入る。
1920年 詩歌の創作を開始。
1921年 創造社に入社。
1923年 東京帝国大学に入学、フランス文学を専攻する。その間、創造社の刊行物上で詩作、数十首を発表、
       後に、そのほとんどが詩集『旅心』に収められるもので、郷土を思い慕う心をうたいあげ、
               憂い悲しむ情調である。フランス現代詩の影響が色濃くみられる。
1926年 帰国、広州の中山大学にて教鞭を執る。
1927〜28年 前後して孔徳学校と天津中国学院に赴任。
1929年 吉林大学に赴任、同時にフランス、旧ソ連の文学作品を翻訳する。
1931年 上海にて左翼作家連盟に加入。
   9月 蒲風、楊騒、任釣等と中国詩歌会を組織し、現実主義的、大衆的詩歌運動を提唱する。
1933〜36年 『詩歌と現実』『詩歌と平凡』等の論文を書き、形式的詩歌理論と詩作を批判。
          抗日戦争勃発後、武漢に行き、中華全国文芸界抗敵協会に加入、理事となり、
                       詩の刊行物『時調』『五月』の主編を担当。
1938年 昆明に赴き、雲南文協分会の常務理事となる。         
1939〜41年 中山大学にて教鞭を執り、同時にプーシキンの『青銅の騎手』、レールモントフの『悪魔』を翻訳。
1942年  桂林に行き、桂林師範学校の教師を務めながら、  バルザックの著作の翻訳に続けて従事する。
1946年 上海に戻る。
1952年以降 北京師範大学に赴任。   

(『中国現代文学詞典』上海辞書出版社、出版)


作品集・単行本                
 
                                 『旅心 』  -- 上海書店 , 1989. --                  『平凡集』 -- 新鐘書局 , 0001. --


邦訳 なし


作成:篠崎 桐也