オンライン現代中国作家辞典

Zhū Xiǎopíng
朱曉平
しゅ・ぎょうへい
(1952-  )


朱曉平小伝:

 河北の人。1952年四川に生まれ、一歳に満たずして軍人の両親に従い、南北をかけめぐる。初級中学一年で、「文革」の動乱となる。15歳のとき陜西の辺鄙な農村に下放して農民となる。その後は6年兵隊に行き、3年機械工をやった。
 1978年中央戯劇学院戯劇文学系に入学、戯劇理論を専攻した。しかし何冊かの閑書を読んだ以外に何も成し遂げることなく、而立の年になっても自分に何ができるのかわからなかった。さびしさとわずらわしさを何とかして解消しようと、1983年31歳のとき最初の小説を書いた。道の選択はいささか無思慮であったも知れないが、売文家業でいくことに決ってしまった。暇なときに明かりの下で一人、心のうちをささやかな感慨として吐露するのも意外に楽しいものである。これまでに数十万字の文章をひねり出したが、小説については相変わらず門外漢である。この道を選んだのだからまじめに歩いて行こうと決意したのが、せめてもの慰めである。

(『私刑』中国文聯出版公司1987)


 朱曉平、1952年四川省瀘州に生まれる。後、四川、陜西などで学校に通う。1968年陜西西部の農村に下放。1970年募集に応じ参軍。1975年復員し、労働者となる。1978年中央戯劇学院文学系の試験に合格、1982年卒業後、母校に残って教鞭をとる。1985年中国作家協会で働く。1991年北京電影制片廠に配属となり、専業の劇作家となる。
 1984年創作開始、出世作であり代表作でもあるのが、「桑樹坪」系列であり、そのうち「桑樹坪紀事」は第4回全国優秀中篇小説奨を受賞した。この小説に基づいて脚色された同名の話劇は、全国優秀劇目奨を受賞している。朱曉平の作品は激烈な現実を直視し、生活の味わいに富んでいる。「厳粛リアリズム(厳勤現実主義)」の代表的作家と見なされている。

(『石女』中国社会科学出版社1993)


作品集・単行本

『私刑』中篇小説集 中国文聯出版公司 当代作家叢書 1987.10/2.00元
『石女』中・短編小説集 中国社会科学出版社 海馬文学叢書 1993.3/6.45元

 

邦訳リスト

「金斗」杉本達夫訳『季刊中国現代小説』9 1989.4
「大地に麦実るとき」杉本達夫訳『季刊中国現代小説』10 1989.7
「ひそやかに川は流れる」杉本達夫訳『季刊中国現代小説』12 1990.1
「縛られた村」杉本達夫訳『縛られた村』早稲田大学出版部 1994.5


作成:青野繁治