オンライン中国作家辞典

Wáng Rùnzī
王潤滋
おう・じゅんじ
(1946-  )


王潤滋自伝

 私は、山東省文登県出身。1946年辺鄙な貧しい山村に生まれる。幼少の頃父を失い、家庭の暮らし向きが清貧で、農作業をしながら小学校、中学校に通った。1966年に文登師範を卒業。卒業後2年間の教育と二ユース関係の仕事を経て、煙台地区文芸創作組へ転勤した。現在中国作家協会理事、煙台市文聯主席の任についている。

土地を忘れずに

 全く新しい人間は存在しない。どの人も血管の中は母体の血液が流れている。どの人の精神細胞のなかも、古いものが基質で、新しいものは少ない。しかしそれは最も生命力の溢れるものである。時代の変化は、人々に以前に考えて見なかっことを考えたり、過去にしたことの無いことをするように促す。これは「新《である。私のこの面においての探求はあまりにも少ない。私は比較的人間精神の古い鉱質の開発に注意を払っていた。ドロとゴミに埋もれた財宝が新たによみがえらせようと。一本の木は、新しい芽が出て、新しい枝が出たことで、それを全く新しい木であると言うことはできない。幹は昔のものである。根も過去のもの、土地も古いものである。新緑は注意すべきである。それらは幹をより太く、根をより深くさせるが、土地を忘れてはいけないのだ。作品の中の人物にニューモードの朊を着せて「新しい人間《に変えるのは簡単である。しかし、流行の朊が古くなり、破れたり、季節が移りかわったら?

(『中国当代作家百人傳』求実出版社1989)


作品目録

《内当家》 (短篇小説)  1981年3月《人民文学》
《売蟹》 (短篇小説)   1980年10月《山東文学》
《三個漁人》 (短篇小説) 1986年6月《文匯月刊》
《海祭》 (短篇小説)   1986年6月《文匯月刊》
《踉小児子去》(短篇小説) 1986年6月《文匯月刊》
《魯班的子孫》(短篇小説) 1983年8月《文匯月刊》

授賞作品

《売蟹》 1980年全国優秀短篇小説賞
《内当家》1981年全国優秀短篇小説賞

外国語に訳された作品

《内当家》  (英、仏)         《中国文学》
《売蟹》   (英、仏)(エスペラント語)《中国文学》
《魯班的子孫》(日)           《中国報導》日本出版

作成:上村 香織