オンライン現代中国作家辞典

Lǐ Zhǔn
李準
り・じゅん
(1928.5.17- )


李準小伝:

 河南省洛陽の人。少年時代に家庭の貧困から学校を辞め、塩の倉庫で見習いとなる。1945年、父親の郵政代理店で使い走りをする。1948年、洛陽が解放されてから、銀行の職員や教師をつとめる。1953年11月『河南日報』に最初の短篇小説「上能走那条路《を発表、全国の40余りの新聞・雑誌に転載された。当時としては、農村の生活を表現した比較的優秀な小説であった。
 1954年8月、農村に戸籍を移して農民となる。1955年から専業創作に従事しはじめる。1959年制作を担当した映画『老兵新伝』が、国慶10周年優秀映画に選ばれ、1959年モスクワ国際映画祭銀盾賞を獲得した。1960年2月中国共産党に加入。同年「李双双小傳《「両匹痩馬《などの短篇小説を発表し広く注目され好評を得た。
 「文革《前には、50編ちかい小説と10数本のシナリオ、それから数多くの散文と特写を書いている。1969年から農村に下放労働し、1973年に鄭州に戻った。1977年にシナリオ「大河奔流《「牧馬人《「高山下的花環《「双雄会《を発表し、百花賞、金鶏賞最優勝編劇賞を受賞、1979年から1985年にかけて出版した長篇小説『黄河東流去』は第二回茅盾文学奨を受賞した。1984年には中篇小説「瓜棚風月《「飛来的生命《「王結実《などを発表している。
 彼の作品は社会の現実を真摯に描き出し、積極的に生活の前進を推進する。言語は素朴で生き生きしており、人物もリアルである。物語性が強く、民族的特色が鮮明である。
 中国作家協会主席団委員を務めていたが、現在は中国現代文学館館長である。

(『中国現代作家大辞典』新世界出版社 1992)


作品集・単行本

『李双双小傳』短篇小説集 人民文学出版社 1977.12/0.92元
『上能走那条路』短篇小説集 人民文学出版社 文学小叢書 1978.11/0.30元
『黄河東流去』長篇小説 北京十月文藝出版社 1992.7/12.60元

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邦訳作品

「マンゴー《(芒果)白水紀子/訳 『早稲田文学』1985.4


作成:青野繁治