李心田
(1929〜)



李心田小伝

 江蘇省出身。1950年に中国人民解放軍に参加し、文化教員,幹事,前衛現代劇団創作員,創作班班長,副団長を歴任する。1957年から児童向け作品の発表を始め、次々と新作を出版した。
 代表作としては、第二回全国少年児童文芸創作評奨2等奨を獲得した『閃閃的紅星』(1974年合作)がある。この小説は児童文学界だけでなく、すべての中国文壇に影響を与え、英語,フランス語,日本語,ドイツ語,ロシア語など10数言語に翻訳されて世界へ紹介された。この小説の中で李心田は、第一人称による回想式の叙述方法を用いた。時間の流れにそって巧妙にプロットが配置され、読者が読みすすむほどに作品に感情移入するようになっており、強力な芸術的感化力をもつ作品である。映画化もされたが、芸術的な問題により原作に多少の手直しがされている。


  『閃閃的紅星』のあらすじ

 主人公の潘冬子は、中国工農紅軍(紅軍)の主力が抗日闘争のため北上した後、蘇区で闘争を続ける遊撃隊に留まる。潘冬子は自分の智恵と勇敢さを利用して数多くの偵察と連絡任務に成功し、ついには紅軍の小兵士となる。

             


  作品紹介


『我的両個孩子』 1957年
『小鷹』 1957年
『両個小八路』 1962年 中国少年児童出版社
『閃閃的紅星』 1972年 人民文学出版社
『跳動的火焔』 1980年 人民文学出版社
『金色的花坏』 1978年 人民文学出版社
『十幅自画像』 1985年 人民文学出版社
『船隊按時到達』 1986年 明天出版社
『夢中的橋』 1987年 人民文学出版社
『銀後』 1995年 北岳文芸出版社


作成:李昇嶺