Ālái
阿来
あ・らい
(1959- )


阿来小伝:

 阿来、男性、チベット族。1959年7月四川省馬爾康県の農民の家庭に生まれる。彼の出生の日を、母は以前はよく覚えていたというが、最近は二つの日にちを言って私に好きなのを選べという。そんな結果を引き起こしたのは生活の苦しさであり、私が文学の道を歩んだのも生活の苦しさのためであった。1976年初級中学を卒業して後、トラクター運転手、牧童、教師、編集者をつとめ、現在は作家協会四川分会文学院専業創作員である。  1982年に詩作を発表し、次第に小説に移行する。

(『旧年的血迹』作家出版社1989.5)

 1959年四川西北部阿[土貝]山区に生まれる。履歴書に貫籍として書いてある馬爾康県は俗に「四土」と呼ばれるが、これは「四人の土司」が統轄する地の意味である。
 80年代中期に創作を始める。小説集『旧年的血迹』と詩集『梭磨河』を出版している。『塵埃落定』は処女長編小説である。

(『塵埃落定』人民文学出版社1998)


作品集・単行本

『旧年的血迹』
 短編小説集
 作家出版社
 1989.5/3.35元
文学新星叢書第六輯
梗  概
 
『塵埃落定』
 長編小説
 人民文学出版社
 1998.3/18.20元
梗  概
 権力を握って威勢のいい康巴蔵族の土司が、酒を飲んだくれて、漢族の妻との間に馬鹿息子をもうける。誰が見てもバカと思えるこの息子は、現実生活には適応できないが、時代を超越した予知能力と行動によって、土司制度の盛衰の生き証人となる。
 物語に精彩があり、感動的である。激情のタッチで描いた部分もあるが、物質を超越した鋭い眼差しで、濃厚な民族的風情と土司制度のロマン性、神秘性を描き出している。
『大地的階梯』
雲南人民出版社
2000.1./18.40元
 
 


邦訳

『空山――風と火のチベット』山口守/訳 勉誠出版 2012.4.27



作成:青野繁治