何玉茹「表妹従北京来」


01[整理番号]XY970310
02[作品名]表妹従北京来
03[作者名]何玉茹
04[原載]『上海文学』1996年第12期
05[頁]100-106(7)
06[ジャンル]短篇小説
07[時代]八十年代末から現在
08[地点]北京から七八百華里の地方都市
09[手法]リアリズム、モダニズム
10[視角]三人称
11[人物]姜維(男、22歳、デパートの売り子、自らの見識に対して思い上がったところがある、おばの見舞いに母と一度だけ北京に行ったことがある)、柳晴(女、姜維のいとこ、北京在住、都会的センスを持ち合わせる、上昇指向のため周りから浮き上がる)、姜維の母(苦労人)、姜維のおば(母の姉妹、柳晴の母、北京在住)
12[題材]都会と田舎、若者心理(都会へのあこがれ、思い上がり、人間関係の悩み、恋愛)、娯楽(映画、テレビ、ダンスホール、カラオケ、芝居見物、“唱戯”、買物)、ファッション、流行
13[主題]都会をあこがれる地方の青年が都会から来たいとこと交流することで、必ずしも都会に生きることが望ましいことではない
14[言語]標準語、伝統戯曲に関する語散見(<木邦>子、評戯、京胡、鑼鼓、月琴、二胡、『望江亭』『蘇三起解』)、若者ことば(没治、老外)
15[描写]不自然に長い段落((11)、(13)、(14))、“”、行変えのない会話文、独白の使用により、映像的な(テレビ的、映画的な)効果をもたらしている。
16[構成]30形式段落、章立てなし。(1)-(3)姜維にとって北京は自分のいる街と違って特別であった。日に日に自分のいる街とそこに暮らす人間が嫌になっていった。(4)-(5)北京からいとこである柳晴が来るという知らせに姜維はよろこぶ。(6)-(10)駅に柳晴を迎えに行くが結局会えず仕舞いで家に戻る。(11)-(13)柳晴はすでに家に着いていた。姜維と柳晴は昔からの馴染みのように打ち解けて会話も弾んだ。(14)-(16)午後姜維は休みをもらって柳晴の買い物のお供をした。姜維は柳晴の買い物上手に驚く。(17)-(18)夕食後テレビに飽きた二人は母の目を盗んで家を出た。映画を見に行くもすぐに飽きたが、姜維は柳晴が京劇を習っていることを知る。(19)-(30)二人は京劇愛好者の集いに行く。柳晴の謡いは好評を得るが、二人は早々にその場を去った。帰り道、姜維は柳晴の北京での生活が必ずしも楽しいものではないことを知る。
17[問題点]いろいろ出かける先に対する必然性が感じられず、冗長である。
18[作者略歴]何玉茹、女、1952年生まれ、河北省石家荘の人、1986年廊坊師専中文系、1976年より作品を発表し始め、中編小説「緑」で河北省文芸振興賞を得る、小説集『ta1們的記憶』がある。本誌には短編小説「孤点」、「真実背景」、「一個叫李文娟的女人」などが選ばれ掲載される。現在、河北省の某出版物に従事、河北省作家協会会員。
19[その他]
20[報告者]和田知久(わだともひさ) 19971210

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