祁智「亮相」


01[整理番号]XY970306

02[作品名]亮相

03[作者名]祁智

04[原載]『青年文学』1997年第1期

05[頁]18(55〜72)

06[ジャンル]中編小説

07[時代]1990年代(PB機、大哥大)

08[地点]東河縣、西川縣、勝利郷

09[手法]リアリズム(批判的リアリズム)

10[視角]三人称(全知型)

11[人物]馬千里(男:東河県政府事務室主任、58歳、県文聯副主席)、劉金水(男:東河県副県長、35歳、李清に抜擢され、後継者として有望)、顧老頭、陸老頭、邱林(元副県長)、劉shan(女:機密室の人、30歳、きれい、林建の妻)、李清(男:県委員会書記兼県長、52歳、交通事故で死ぬ)、王光明(男:県委員会事務室主任、交通事故で死ぬ)、龍銀松(男:県政府事務室副主任、交通事故で死ぬ)、何従徳(男:常務副書記、50歳代)、劉仲仁(男:常務副県長、50歳代)、陳維明(男:馬千里の部下的存在)、韋樹純(男:事務室副主任、いつも劉金水といる)、廬春海(男:市委員会書記)、唐程(男:廬春海の秘書、陳維明の友人)、周烈(男:西川県常務副県長、36歳、背は中で太っている)、林建(男:劉shanの夫、物資公司を経営)、肖喜梅(女:陳維明の妻、工場に勤める)、胡江龍(男:肖喜梅の勤める工場の工場長)、陳順根(男:工場の隣にある烏龍野味店の店長)、郭林勝(男:西川県事務室副主任、中年、唐程の友人)、丁振良(男:市委員会副書記)、徐昭義(男:市委員会常務委員組織部長)、莫彗英(女:馬千里の妻)、杜一明(男:勝利郷政府事務室主任)、王進栄(男:勝利郷党委員会書記)、方達(男:勝利郷郷長)、蘇華(女:劉金水の妻)、控訴信を持ってきた先生

12[題材]県レベルの政治制度、郷レベルの政治制度、植林活動、権力争い、根回し、権力の行使、メディアの利用

13[主題]権力者の死去に伴う、人脈を中心とした後継者争い。

14[言語]標準語、外来語、罵倒語

15[描写]役職をもった多くの人物の人間関係を中心に描いている。会話文に引用符号なし。人物の描写が希薄。

16[構成]前571段、十三章立て。第一章(1〜26)李清が車の事故のため死亡。県委員会副主任たちが県の書記と県長の地位を争う。馬千里は自分の地位を守ることに努める。第二章(27〜62)馬千里は、李清のかわりとして周烈が来ると知って、彼に近づこうとする。第三章(63〜109)馬千里と陳維明は、どのようにして周烈を迎えるか考える。第四章(110〜154)陳維明は西川県に周烈に会いに行く。第五章(155〜196)周列が東河県に来てあいさつするときの、何従徳、劉仲仁、劉金水などの反応。第六章(197〜251)状況に対する馬夫妻の見解。一方、陳維明は馬千里に指示を聞きににやってきた。第七章(252〜323)陳維明が勝利郷に行って周烈に木を植えるように連絡をする。第八章(324〜362)陳維明は夜に劉金水の所へ行き、馬千里が、周烈が木を植えるように案配したということを報告した。第九章(363〜400)馬千里は植林活動の準備をする。また、陳維明を市や省に行かせ記者などに郷に来てもらうようにした。第十章(401〜435)馬千里と陳維明は勝利郷へ植林の手はずを整えに行った。第十一章(436〜481)劉金水は韋樹純に勝利郷団結村に植林の様子を見に行かせる。そこでは停車場やトイレを作るため敬老院と小学校の一部を解体することになった。劉金水はいろいろ考えて周烈に近づきたいと思い夜に彼を訪れた。第十二章(482〜541)植林現場に控訴状があったが、周烈はこれをうまく利用して、自分にいい印象をもたせた。第十三章(542〜571)周烈のことは大きなニュースとなり、馬千里の考えは失敗に終わった。周列は馬千里を政策研究室主任にし、市委員会に劉金水を県委員会常務委員にすることを報告した。

17[問題点]内容が一つの焦点に結結集していかない。中心となる人物が設定されていない。写実的な用法をかなりいかしているが、またその欠点も多く残っている。

18[作者略歴]祁智、男、1963年生まれ。江蘇省靖江県の人。1983年に揚州師範学院中文系を卒業、すでにいくつかの文学作品を発表している。『小説月報』においても以前「一種gan ga」が掲載された。現在、江蘇少儿出版社勤務。南京市文学連盟会員。

19[その他]表題と途中に挿し絵あり

20[報告者]石黒亜維