02[作品名]追月楼 −夜泊秦淮之一
03[作者名]叶(葉)兆言
04[原載]「鍾山」1988年第5期
05[頁]21頁(68〜88頁)
06[ジャンル]中編小説
07[時代]民国26年秋〜29年(1937〜40年)
08[地点]南京
09[手法]リアリズム
10[視角]三人称
11[人物]丁老先生=衍公(男、元清朝の高級官吏、昔気質の老人、文学に詳しい)
明軒(男、大学教授、丁老先生の弟子で娘婿、後和漢学校の事務長となる)
伯祺(男、丁老先生の孫、鉄道局で働く、丁家の長男、丁老先生が信頼する一人)
仲祥(男、伯祺其の弟、一度は酒で身を崩すが立ち直り後小学校教師となる)
小文(女、丁老先生の第二夫人、丁老先生が信頼する一人)
劉氏(女、丁老先生の妾)
小文の父親(男、阿片中毒者、後汪精衛政権下の警官となる)
二表姑(女、小文の父親が連れてきた女性)
ya(女、丁老先生の七女)
儲元泰(男、yaの夫)
婉(女、丁老先生の八女)
少荊(男、丁老先生の弟子、教育部次長、婉と恋愛関係になる)
黄許庭(男、丁老先生の友人)
許平言(男)
厨師の王(男)
小林(男、伯祺の息子)
jie(女、明軒の妻)
慕容(女、丁老先生の父の妾)
李夫人(女、伯祺と仲祥の母、未亡人)
福生(男、使用人)
楊媽(女、使用人)
儲恒山(男、元泰の父親)
luan(女、丁老先生の九女)
lei(女、丁老先生の十女)
藤塚(男、日本人の漢学者)
12[題材]旧社会、旧思想から新社会、新思想への移行 大家族 戦争 抗日 虐殺 強姦 恋愛
役人の堕落 病気 死 文学 漢奸 世継ぎ 妾制度 汪精衛政権
13[主題]丁という大家族の興隆と衰退を通じて、民国26年から29年までの人間模様と社会様相を描く
14[言語]標準語 南方方言 文語文
15[描写]人物の描写や会話が多く、様々な人物のエピソードがストーリーの中にちりばめられている
16[構成]四章立 全193段落
第一章、
1(1)〜(10)丁老先生の70歳のお祝いの席で人々は激化してゆく戦争について語る
2(11)〜(25)小文と丁家の関係、小文の父親と丁老先生の対立
3(26)〜(41)祥の疎開、家族の難民区への引っ越し、丁老先生と小文は丁家に残る
4(42)〜(58)追月楼を建てるまでの丁老先生の回想、南京の陥落と日本軍の進入
第二章、
1(59)〜(80)家族の帰宅、丁老先生は追月楼から降りてこなくなる、日本軍の二表姑への凌辱
2(81)〜(100)黄老先生との再会、yaと儲家の対立と和解
3(101)〜(121)鉄道局で働く伯祺に反感を持つ丁老先生
第三章、
1(122) 〜(129)婉と少荊の出会い
2(130)〜(148)婉と少荊の恋愛、明軒の事務長就任
3(149)〜(161)少荊と丁老先生の対立
第四章、
1(162)〜(180)丁家の衰退、丁老先生の衰弱、小文の父親の出世
2(181)〜(193)丁老先生の死
17[問題点]この様なテーマを持つ作品をなぜ現代に発表したのか。南京大虐殺が正面きってとりあげられ
ていないのは、何故か?
18[作者略歴]叶兆言、男、1957年生、南京人、高校卒業後労働者となる。1978年南京大学中国語学科入学、
1986年研究生として卒業、現在江蘇文芸出版社に所属、『懸掛的緑苹果』が1985ー1986年全国優
秀中編小説賞を獲得。
19[その他]家族構成が巴金『家』に似ている
20[報告者]中山絹代、大西雅仁