02[作品名]閑糧−−《陜甘大道》之二
03[作者名]朱暁平
04[原載]『作家』1988年第10期
05[頁]17(33〜49)
06[ジャンル]中編小説(構成上は短編小説的)
07[時代]1960年前後?1960年代後半?
08[地点]桑樹坪(陜西省西北部)
09[手法]リアリズム(無標点部分一か処あり)
10[視角]三人称
11[人物]金斗(男、主人公、桑樹坪の生産隊長)
金盛・金升(男、村の主事)
金明(男、事故で両足を失う)
金発(うだつのあがらない男、子沢山貧乏)
金来(男、頚部淋巴腺結核がひどくなり、働けない。一目を避けてひっそりくらす。
食糧支給カットを告げられ自殺)
蘭香(女、金発の妻、多産で体をこわす。)
福全(生産隊の会計)、
金同、福竜、金明婆姨
12[題材]農村生活、貧困、凶作、生産隊、食糧分配問題(労働点数)、社会的弱者、身体障害者、
子だくさん
13[主題]貧困という極限状態におかれた人間の暮らしぶりや声を通して、何かあったときには弱
者がまっさきに切り捨てられるという現実を示す。またそのような現実における基層幹
部の苦悩。
14[言語]標準語、会話は陜西方言
15[描写]金斗を視点人物に設定している。四字成語が多い。無標点の描写が一か処。
16[構成]230段落。序+四章立て。
序 1-10:夏の収穫ゼロ。秋に望みを託す。
一 11-84:飯場にて、金斗たち村の幹部が、秋の不作対策として、働いていない者の食
糧を差し引くことを決定。
二 85-105:金斗が金発の家へ行き説得。
三 106-171:金斗が金明の家へ行き説得。
四 172-230:金斗が金来の家に行き説得。金来はくびつり自殺。
17[問題点]方言や口語的表現が多く、農村の雰囲気は出ているが、やや下品。「桑樹坪記事」シリ
ーズから「陜甘大道」シリーズへの転換の連続性と非連続性は?
18[作者略歴]朱暁平。男、1953年四川のlu州で生まれる。1968年中学卒業後、陜西で人民公社の生
産隊に入隊。翌年徴兵に応じて解放軍に入隊。1976年退役後、工場労働者となる。1978年
中央戯劇学院入学、卒業後も学校に残る。1985年中国作家協会の仕事に配属される。1983
年小説の執筆を開始。『桑樹坪記事』で1985年から1986年にかけて全国優秀中編小説奨を
受賞。
19[その他]参考文献『新しい中国文学6 縛られた村』(朱暁平 杉本達夫訳 早稲田大学出版部
1994年)
20[報告者]窪田綾子、中内亜紀