XX881203

陳国凱『摩登阿Q』


01[整理番号]XX881203

02[作品名]摩登阿Q

03[作者名]陳国凱

04[原載]『百花洲』1988年第2期

05[頁]50-66(17)

06[ジャンル]中編小説

07[時代]辛亥革命直後〜1980年代(改革開放政策の時代)

08[地点]未庄市

09[手法]風刺、パロディ

10[視角]三人称

11[人物]阿Q、

    小D(秘書長)

    仮洋鬼子(太空文学研究中心主任)

    小尼姑(女流作家)

    呉媽(阿Qの妻)

12[題材]『阿Q正伝』のその後、文芸官僚や作家の実態

13[主題]阿Qが文聯主席の地位につくことや、彼の仮洋鬼子とのやりとりを

    通じて、権威という人々が信じているものを嘲笑する。現在の文壇

    や社会への皮肉。

14[言語]標準語(一部文章語も)

15[描写]全体を通じて、社会への皮肉、嘲笑がうかがわれる。故意にデタラ

    メな描きかたをしている(時代考証、詩の内容と形式、阿Qの行動)。

16[構成]8章立て。

    (1)阿Qは実は死んでいなかった。

    (2)何十年か後、阿Qは有名な作家で、未庄市文聯の主席となっている。

    (3)阿Qの黄瓜の講演。各地の黄瓜の味についての意見を、人々は勝手

     に各地の文学作品の比喩とうけとり、評判になる。

    (4)阿Qの黄瓜論に対して仮洋鬼子の>女乃<油論。両者の文学上の論争

     から、強姦事件、さらに戦争へとエスカレートし、両派のボスとし

     て2人はつかまる。

    (5)裁判にかけられた2人は、50回ぶたれる刑をうける。

    (6)阿Qが戻ってきたので歓迎会が開かれる。小尼姑も参加。

    (7)宴会後、家に帰った阿Qは、妻と小尼姑を比べ、阿Qは妻と離婚を

     決意する。

    (8)妻への賠償金5万元の相談を小Dにもちかける。醤油集団公司との

     宴会の席上、阿Q、仮洋鬼子、小尼姑がそれぞれ詩を披露する。帰

     途阿Qは小尼姑の草庵へむかう。

17[問題点]阿Q正伝を読まないと面白さがわからない。時代考証を無視。

18[作者略歴]陳国凱、男、1938年生まれ。広東五化の人。かつては広州の肥料

    工場で労働者をしていた。現在は作家協会の広東分会で副主席をして

    いる。長、中、短篇小説を多く発表している。そのうち『我応該zenme

    ban?』は78年度全国優秀短篇小説賞をうけた。本中篇を載せたとき本

    誌はわずかだが、削除をおこなった。

19[その他]なし

20[報告者]河野桂子


元に戻る


aono@osaka-gaidai.ac.jp