02[作品名]摩登阿Q
03[作者名]陳国凱
04[原載]『百花洲』1988年第2期
05[頁]50-66(17)
06[ジャンル]中編小説
07[時代]辛亥革命直後〜1980年代(改革開放政策の時代)
08[地点]未庄市
09[手法]風刺、パロディ
10[視角]三人称
11[人物]阿Q、
小D(秘書長)
仮洋鬼子(太空文学研究中心主任)
小尼姑(女流作家)
呉媽(阿Qの妻)
12[題材]『阿Q正伝』のその後、文芸官僚や作家の実態
13[主題]阿Qが文聯主席の地位につくことや、彼の仮洋鬼子とのやりとりを
通じて、権威という人々が信じているものを嘲笑する。現在の文壇
や社会への皮肉。
14[言語]標準語(一部文章語も)
15[描写]全体を通じて、社会への皮肉、嘲笑がうかがわれる。故意にデタラ
メな描きかたをしている(時代考証、詩の内容と形式、阿Qの行動)。
16[構成]8章立て。
(1)阿Qは実は死んでいなかった。
(2)何十年か後、阿Qは有名な作家で、未庄市文聯の主席となっている。
(3)阿Qの黄瓜の講演。各地の黄瓜の味についての意見を、人々は勝手
に各地の文学作品の比喩とうけとり、評判になる。
(4)阿Qの黄瓜論に対して仮洋鬼子の>女乃<油論。両者の文学上の論争
から、強姦事件、さらに戦争へとエスカレートし、両派のボスとし
て2人はつかまる。
(5)裁判にかけられた2人は、50回ぶたれる刑をうける。
(6)阿Qが戻ってきたので歓迎会が開かれる。小尼姑も参加。
(7)宴会後、家に帰った阿Qは、妻と小尼姑を比べ、阿Qは妻と離婚を
決意する。
(8)妻への賠償金5万元の相談を小Dにもちかける。醤油集団公司との
宴会の席上、阿Q、仮洋鬼子、小尼姑がそれぞれ詩を披露する。帰
途阿Qは小尼姑の草庵へむかう。
17[問題点]阿Q正伝を読まないと面白さがわからない。時代考証を無視。
18[作者略歴]陳国凱、男、1938年生まれ。広東五化の人。かつては広州の肥料
工場で労働者をしていた。現在は作家協会の広東分会で副主席をして
いる。長、中、短篇小説を多く発表している。そのうち『我応該zenme
ban?』は78年度全国優秀短篇小説賞をうけた。本中篇を載せたとき本
誌はわずかだが、削除をおこなった。
19[その他]なし
20[報告者]河野桂子