02[作品名]魯魯
03[作者名]宗[王樸−木]
04[原載]『十月』1980年第6期
05[頁]68-75(8)
06[ジャンル]短編小説
07[時代]抗日戦争末〜日本の敗戦及びその後
08[地点]ある山村、T市
09[手法]リアリズム
10[視角]三人称(語り手の魯魯への感情移入が強い)
11[人物]猶太老人(魯魯の元主人、ユダヤ人、すでに死去)、
魯魯(雄、白犬)、
范家の父親(学者・教師で家を空けることが多い)、
范家の母親(かつて看護学校に通ったことがあり、現在村の医者的存在)、
范家の姐姐(小学生、のち中学生になる)、
范家の弟(のち小学生になる)、
菲菲(雌、范家で飼われている猫)、
唐伯伯(父親の友人、のちの魯魯の主人)、
その他:山の動物たち、市場の人々、老人の旧住所の近所の人々
12[題材]主人と飼い犬、山村と都市、生活、姉弟、親子、抗日戦争、謎
13[主題]一匹の犬をとりまく環境の変化を描くことにより、抗日戦争前後から現在に至るまでの中国
の人民を比喩的に描く。次次と飼い主の替わる犬の悲しみ(主人への思い)を描く。
14[言語]標準語(子供が読むことを意識して、難しい表現を避けた?)
15[描写]直喩表現が多い(“好象”を多く用いる)。+擬人法。リップ・ヴァン・ウィンクルの物語。
16[構成]60段落。
1-4.魯魯の悲しみ(范家にて)、
5-6.魯魯の過去、
7-15.魯魯范家の一員になる。
16-23.魯魯の謎解き。
24-29.范家での生活。
30-35.市場にて。
36-38.魯魯の失敗、菲菲の死。
39-47.魯魯のてがら。
48-50.時代の流れ。
51-57.范家と魯魯の別れ(T市にて)。
58-60.魯魯のその後、解かれることのない謎解き。
17[問題点]なし
18[作者略歴]馮宗[王樸−木]、女、1928年生まれ、河南省唐河県の人、51年清華大学外語系卒業、
現在北京外国文学研究所で働く。48年創作活動開始。50年代にはの『紅豆』等短編小説
を発表。四人組の失脚の後、小説や散文を続けて発表する。その中でも、『弦上的夢』
は1978年全国優秀短編小説賞を受賞。北京出版社から『宗>王樸−木<小説散文選』も出
されている。
19[その他]代名詞の使い方が興味深い。魯魯(犬)に「他」「它」を用い分ける。
20[報告者]崎田浩子