02[作品名]詩聖閻大頭
03[作者名]王暁新
04[原載]「延河」1980年第12期
05[頁]8頁 (15〜22頁)
06[ジャンル]短編小説
07[時代]1974年から数年
08[地点]黒水河、閻庄
09[手法]悲喜劇
10[視角]一人称(語り手・非主人公)
11[人物]閻明亮=閻大頭(男、閻庄の農民、詩歌活動の中心に選ばれる)
何克局長(男、厳格で融通の利かない役人=幹部)
趙宝山(男、閻大頭をライバル視する)
「我」(閻庄の詩歌運動を取り仕切る)
閻支書、
閻大[女審]
12[題材]農村、文化大革命、詩歌運動、貧農・下層中農、栄光と失墜、幹部の官僚主義
13[主題]社会風刺(官僚主義批判etc)。
文化大革命中に村内で起こる文化運動のばかばかしさを、閻大頭というピエロ
の行動に現し、「我」の眼を通して喜劇調に描く。
14[言語]標準語(人物の台詞には方言あり、陜西省の方言か)
15[描写]「我」が過去を振り返り、半主観半客観の描写をしている。
情景描写は極めて少ない。各文章は短く、小気味よくまとめられている。
16[構成]7章立て
1.「我」と大頭の再会、回想の開始。
2.詩歌運動の開始。大頭が選ばれる過程。
3.大頭の名声。身分不相応の待遇を受ける。
4.大頭の増長。世渡りがうまくなる。
5.更なる増長。名声を得た後には何をしてもかまわない。
6.文化大革命の終焉。大頭の化けの皮が剥がれる。
7.1の場面に戻る。大頭の現在の状況。
17[問題点]文化大革命中の人々の思考停止と体制への順応を風刺しながらも、踊らされ、
犠牲となった大頭に対する同情も無い。どうやら、当時の人々全員の無知を笑っ
ているようで救いがない。
18[作者略歴]王暁新、男、現在48歳、陜西省三原県人。周至県文化館に働く。1967
年高陵師範を卒業し、小学教育に従事する。1974年より、「延河」に小説の
発表を開始。1978年十月中国作家協会西安分会に加入、1979年より理事
を勤める。
19[その他]魯迅「阿Q正伝」を彷彿とさせる。
20[報告者]福原展之