高爾品「“細胞”閑伝」


01[番号]XX810105

02[作品名]“細胞”閑伝

03[作者名]高爾品

04[原載]《安徽文学》1980年第11期

05[ページ]27-35, 58

06[ジャンル]短編小説

07[時代]1973年春、1957年反右派闘争期、80年当時

08[地点]湖浜大街(蕪湖市?)

09[手法]リアリズム

10[視角]三人称全知

11[人物]卜阿菊(居民委員会主任、「細胞」というあだ名。50歳前後)李八一(反右派闘争で労改犯の経験あり。中学校教師。)李女史(李八一の姉。在米華僑。)李小明(李八一の息子。窃盗の前歴あり。)黄竹/均分(李八一の別れた妻。小学校教師。)

12[題材]基層幹部、反右派闘争、文革

13[主題]政治情勢に応じて態度を変えていく無節操な人間(=官僚主義者)の愚かさ、おかしさ。

14[言語]普通話(南方の方言?あり)。

15[描写の特徴]・卜阿菊の台詞(演説?)を効果的に使うことによって人物像を浮かび上がらせている。

16[構成]全134段落、前書き及び7章構成。
・前書き:卜阿菊のあだ名の由来について。
・一 「細胞主任、街で外人と歩く労改犯を捕まえる」
・二 「労改犯の家族と細胞主任は腐れ縁」
・三 「いまどきの善人はメシが食えなきゃ誰かが茶碗を差し出す」
・四 「若い囚人は送っていったが、年老いた囚人が思いがけず入ってきた」
・五 「細胞は言った、昔の人も別れた夫婦が元の鞘に収まることの大切さを説いていました」
・六 「細胞主任、法廷で証言する。あの子はもともと善人の子なんです」
・七 「細胞主任、良い報いがあって狂喜乱舞」

17[問題点]・あえて女性を主人公にしたのにはどういう意味があるのか。・こういう無節操な人物がのうのうと生き延びている結末がなんと後味の悪いこと!(=リアリズム。わたしはこういう人間は嫌いだ。話としてはおもろいけど)

18[作者略歴]男性。1947年南京生まれ。66年、高校卒業後、小学校の代用教員を勤めた後、蕪湖市教育局に勤務。77年、蕪湖市文化局にて専業作家となり、79年蕪湖市文連の文芸誌《大江》で小説の編集に当たる。75年、中編小説《足球場上》を出版、近年相次いで《我的媽媽》等十編余りの短編小説を発表している。

19[その他]

20[報告者]平坂 仁志