李靖「最後一票」


01[番号]XX810103

02[作品名]最後一票

03[作者名]李靖

04[原載]『東海』1980・10

05[頁]17ー22

06[ジャンル]短編小説

07[時代]文化大革命以後

08[地点]?

09[手法]意識の流れ?

10[視角]一人称描写(主人公)

11[人物]私(劉大海、28歳、男性、装釘班勤務75年2級労働者)刑月仙(女性、「私」の勤める工作班の班長)劉亜芝(女性、「私」の同僚)何美珍(かなり年配、女性、「私」の同僚)周蓮蓮(女性、「私」の同僚)林燕(女性、X市に住む「私」の恋人)

12[題材]工場労働者の日常生活、賃金調整、工作組内の人間関係の圧れき

13[主題]賃金調整をめぐって、自己の利益と人間関係のバランスとの間で揺れる、主人公の心理状況

14[言語]標準語

15[描写]各場面の最初に、眠れぬ夜、物思いにふける私が描かれている。「篤篤篤」という擬音語を多用。外国の美術作品・芸術家名・小説・作家名が多出。

16[構成]全94パラグラフ(1)-(9)幼時、祖母に聞かされた奇妙な占いの思い出。(10)-(14)賃金調整をめぐる「私」の悩みの発端。(15)-(34)調整会の場で批判された「私」と、刑大姐に対する不信感。(35)-(74)会議の意外な展開。自分が棄権した事により、刑大姐の得票を上回ってしまった「私」。(75)-(94)良心の呵責に苦しむ「私」は、会議のやり直しを刑大姐から聞かされ、ほっとする。

17[問題点] 「私」個人の心理的葛藤に終始しており、他の登場人物の描き方が表面的である。

18[作者略歴]李靖、女、27歳。折江省金華の人。1974年中学卒業後、就職。現在、金華タバコ商店の営業員。1979年後半より小説を発表し始める。

19[その他]

20[報告者] 岡田幸子