祝興義「楊花似雪」


01[整理番号]XX800202

02[作品名]楊花似雪

03[作者名]祝興義

04[原載]『安徽文学』1980年第9期

05[頁]18-27(10)

06[ジャンル]短編小説

07[時代]解放前から文革後まで

08[地点]ある地方の町と周辺の農村

09[手法]リアリズム

10[視角]一人称

11[人物]我(医学学院教授兼付属病院医師)小曹(私の妻)、楊思萍(私の前妻)、叔父、叔父の妻、叔父の息子、郁書記(土地改革前の郁禿子、流亡無産者のちに成金、書記)四歪子(思萍の再婚相手、病気がちで思萍の負担になる)二嫂

12[題材]土地改革、青年突撃隊、幹部の暴力、階級、農村、包辧結婚

13[主題]土地改革で幹部に転身したゴロツキ書記の為に一生をダメにされた女性の不幸と運命に流された若い夫。

14[言語]標準語

15[描写]一人称ながら客観的な描写法。扱う年代の範囲が広いので、現在の一場面から回想の形でカットバックする。

16[構成]全10章。(1)来週の講義の準備をする私。面会人。楊思萍。(2)30年前の回想。旧暦9月18日三十に満たずして七年やもめだった母の再婚。楊思萍との婚約。医師の叔父。三歳上の従兄。(3)解放の年、欠食児童の私、楊思萍に食べ物を貢がせる(4)私十五、思萍十六で結婚。土地改革で叔父は地主とされ、医院の配属、従兄は中学生。私は叔父の土地で農作業。勉強したいが許されず。(5)中学の受験。合格するも経済問題で叔父難色。思萍の父親たちが叔父の家の農作業をすることで解決。私は思萍に愛情。(6)初級中学で「三好学生」となった私は町の本校の高等部に。思萍と離れる。そのうち思萍の父が死に、思萍は叔父の家から「独立」の名目で逐われる。私は保護者の書類に彼女を義姉と書く。(7)協同化から大躍進。私は大学受験の準備とアルバイト。彼女は青年突撃隊から食堂の賄いに。書記の慰み者になった思萍の事情を知る。(8)思萍と協議離婚。(9)郁書記の計略。私生児を身ごもった思萍、病気がちな四歪子と結婚。十数年後1976年冬、町で思萍と再会。(10)最初の場面に戻る。楊思萍は、郁書記の暴力事件に巻き込まれ負傷したのだった。手術で傷を縫合し出血を止める。

17[問題点]郁書記だけを悪者にして済ませている。こういう書記をのさばらせた党の責任は追究しないのか?

18[作者略歴]祝興義、男、四十一才、安徽省懐遠県の人。五八年懐遠県文工団で働く。五九年合肥師範学院に入学。六三年卒業、中学教師となる。七五年以後懐遠県文化局に勤める。最近数年間に短編小説、戯曲などを発表。短編小説『抱玉岩』が七八年全国優秀短編小説賞を受賞。

19[その他]なし

20[報告者]青野繁治