01[整理番号]XX800102
02[作品名]心香
03[作者名]葉文玲
04[原載]《当代》1980年第2期
05[頁]17〜28(80)
06[ジャンル]短編小説
07[時代]1956年頃、1958、1959、1960年及び1979年頃
08[地点]南方、主に江南の大龍溪
09[手法]対話形式
10[視角]一人称非全知
11[人物]老岩(男。45才ぐらい。もとは美術を勉強し、文化局の美術創作部に勤めていたが、現在は英語の教師。)小謝(男。35才ぐらい。老岩の同僚で、美術を教えている。かつては老岩を尊敬し、現在では老岩を温かく見守っている。)朱老太太(女。60才をこえている。老岩が大龍溪で世話になった老女で、慈愛深い優しい人物。)亞女(女。年齢不祥。朱老太太の隣人。亞女は老岩が付けた名前。話すことは出来ないが、心の優しい人物である。最後は自殺してしまう。)小元(男。現在30才ぐらい。亞女の弟。陶瓷工芸の設計師。幼くして天涯孤独の身、誠実で信のある人物。)有牌頭(男。年齢不祥。大龍溪では上流階級に属するが、権力を盾に卑劣なことをする人物。)
12[題材]農村・恋愛・政治・生き方・身障者に対する差別意識
13[主題]反右派闘争・大躍進・人民公社という時代を背景に、一人の少女を救えなかった悔いに悔やまれぬ老岩の気持ち。
14[言語]標準語
15[描写]情景描写についてはあまり詳しく書いてない。/心理描写については、様子・状態を描くことで表している。(→リアリズム)ex. 他气呼呼地拈下壺,又出那只鍋坐上去,随后拈起壺就一一的走向了總務処……(18頁左17〜20行)
当老岩把陶壺拈上拈下的時候,他那過分小心的動作,使我覚得他手中提的不是一把粗朴的瓦壺,而是一把名貴的金壺、玉壺,或是不敢乱 的玻璃壺。(18頁左下から9行〜下から4行)/名詞の前に色を書いていることが多い。ex. 蟹青色的圍巾、烏黒的長辨、清凌凌的水/会話の括弧“”について、同一人物の会話が続くとき“”をつけない。異なる人物の会話が続く時は“”をつける。
16[構成]章立なし。
老岩が卒業製作のために江南の大龍溪にやって来る/亞女との出会い/亞女との別れ/文化局で働く/銑鉄工場で働く/右派の汚名を着せられ、再び大龍溪に行く/亞女との再開/亞女の自殺/17年後に亞女の弟との再会。
17[問題点]“第二天”が何度も出てくる。
18[作者略歴]葉文玲,女,1942年11月4日生れ。1980年で38才,浙江省玉環県楚門の人。58年初級中学を卒業後,人民公社社員、幼稚園の先生、小学校教師、労働者となった。58年作品を発表し始める。短編小説集《无花果》を出版後、中編小説《弯弯的金竹塘》を出版。1979年に中国作家協会に加入,同年末河南省文連に移り創作課に従事する。
19[その他]
20[報告者]上田なおみ