01整理番号 XX990709
02作品名快楽的葬礼
03作者名頼暁紅 
04原載『西湖』1999年第2期
05 9(108〜116)
06ジャンル短編小説
07時間1990年代
08場所江南の農村
09手法リアリズム
10視角三人称
11人物雲苟老漢(主人公。農民)、尚仁(雲苟の長男)、女児(雲苟の長女)、尚義(雲苟の次男)、老伴(雲苟の奥さん)、貴州の女(雲苟が次男のお嫁さんとして6000元で買った女性)、数人の警察(貴州の女を連れていった)、栄清(村の共産党支部書記)、栄清の奥さん、郷の財政係、村の会計係、元の党支部書記、郷の指導者グループ、李傑(郷長)、小張(秘書)、老方(郷の共産党書記)、蒋秀容(李郷長の奥さん)、岳父(蒋秀容の父親)、岳母(蒋秀容の母親)、李郷長の息子、孫衛東(郷の公安助理員)、屈警察官(鎮にある交番の警察官、孫衛東の義兄)、お姉さん(孫衛東の姐)、所長(鎮にある交番の所長)、徐徳慶(鎮長)、王来法(鎮工業弁公室主任)、二人の不良少年(王主任が雲苟老漢に与えた5元のお金を奪った人)、飲食店の太った女オーナー、雲苟の婿、親戚、台所の女たち、お手伝いの人たち、葬式の参加者たち、村長、 
12題材 あわせの上着、鍬、水田、稲の苗、渓流、朝の霧、露、蛙、牛、出稼ぎ、セメントをこねる、三輪車漕ぎ、別居、請負の田圃、煉瓦工場、貴州の女、パトカー、公安局、婦女誘拐売買、電信柱、電話回線、水汲み、お粥作り、養豚、水やり、麻雀、苗の補償金、復員、一人っ子政策、喧嘩、郷政府、夏期農産物の買い付け、リストラ、不倫、人脈、人間関係、出向、単身宿舎、デスク、エキスパンダー、シェパード、賭事、手錠、ポケベル、拘置室、経済開発区、プロジェクト誘致、資金誘致、裁判、不良少年、ひったくり、食料品市場、飲食店、饅頭、餃子、ビーフン、麺、ワンタン、豆乳、お粥、農薬、自殺、火葬、葬式費、わらぶき小屋、香炉、フルーツの供え物、豆腐飯、花輪、火葬場、焼却炉、骨壺、死者のために紙で作った日常用品、葬送曲、御経、 
13主題 一人の農民直訴を通じて、末端組織の幹部の腐敗を暴く
14言語 共通語
15描写 特徴:罵語が多い。
16構成 全199段落。章立てなし、第122段と第123段の間に一行あき。 (1)1〜49:雲苟が自分の田圃に、村の共産党支部書記栄清の家に通じる電話回線の電信柱が立てられ、水田の苗がめちゃくちゃにされたのに気がつき、栄清と喧嘩になり、栄清に殴られる。 (2)50〜59:雲苟が苦情を言うために、郷に行く。会議中の郷の共産党書記の老方と郷長の李傑らが、雲苟が郷政府の門の前で泣いているのに気づき、会議が一旦中断されたが、すぐ再開する。 (3)60〜77:会議が終わらないうちに、李傑郷長の奥さんから電話があり、リストラされそうになった奥さんは夫に助けを求める。電話を受けた後、李傑は、会議を休会し、昨夜、リストラの件で奥さんと喧嘩したことを回想する。そして、昼食後、妻のリストラを防ぐための手段を考えようとする。 (4)78〜122:昼寝をしている李傑が騒ぎで起こされる。その騒ぎは郷の公安助理員の孫衛東が雲苟と喧嘩しているのだと知り、怒りを孫衛東にぶつける。郷長に怒られた孫衛東は腹立て、雲苟を義兄の屈警察官が勤める鎮の交番につれていって、そこに拘置する。夜半を過ぎてから、雲苟が不法に拘置されているのに気づかれ、解放される。 (5)123〜138:鎮長に苦情を言うために、鎮政府の門の前に横になっている雲苟が鎮長の徐徳慶に気づかれたが、これから出かける鎮長は同行する鎮工業弁公室主任の王来法に訳を聞きに行かせただけで、王は「今、鎮長は時間がない」と言って、朝食代とバス代を渡して雲苟を返した。 (6)139〜155:鎮から帰った雲苟は自分の水田に立てられた電信柱を倒し、電話線を切った後、農薬を飲んで自殺する。 (7)156〜182:怒った親戚や村人たちが雲苟の遺体を郷政府に運んで抗議する。鎮長はまず、雲苟が国の財産を破壊したとみんなを脅かす。そして、政府の意志に従って早く葬式を終えるようにすれば、補助金を出すと暗示し、事件の早期収拾を図る。雲苟の長男の尚義は家族や親戚らに雲苟の遺体を運んで帰らせ、郷長と交渉する。八千元の補助金を出すと約束してもらって、満足そうに帰る。 (8)182〜199:雲苟の葬式が賑やかに、楽しく執り行われる。
17問題点 (1)117段に「昨夜の夜中すぎに交番に戻ったら、やっとおやじが拘置されているのに気づいたが、」との屈警察官の台詞はストーリーに合わない。 (2)死者を水田に埋葬するのは江南地方の慣習に合わない。 
18作者略歴 頼暁紅、1962年浙江省建徳市生まれ。現在は浙江省建徳市財政局職員 
19その他 なし
20報告者 楊 汝賢