01整理番号 XX990308
02作品名魚的故事
03作者名張煒
04原載『中国作家』1999年第1期
05 4ページ(97―100) 
06ジャンル短編小説
07時間不詳
08場所漁村
09手法ロマン主義(童話か?)寓話 
10視角第一人称、我によって物語が語られている。
11人物父親(もともとは山仕事をしているが、いまは海に出て漁をしてい る。海上の厳しさのあまり、酒に溺れる) 我(男の子、父の仕事に興味を持 ち、漁について行く。夢に出た人魚のお願いを聞き入れ、父と海上老大に漁の中 止を求めるが、聞き入れて貰えず、漁を続けた人たちが嵐に遭い死んでしまう。) 母親(父を支え、良き母親である。魚中毒から一家を救う。) 海上老大(漁師 のリーダー格、私の夢の話を無視し、漁に出た人たちが波に呑み込まれ、死ぬ) 小魚姑娘(私の夢に現れ、漁を止めようと私に頼む。) 拉网的人、 幾個老頭、 一個長 腮胡子的人(父に酒をくれた人) 幾個孩子、
12題材 海、漁、仕事、船、魚スープ、酒飲み、親子、男性社会、魚による中毒、 解毒草、嵐、海難事故、死、人魚伝説、猫頭鷹、貧困、夢のおつげ、労働歌 
13主題 父が海仕事でたくさんの魚を捕り、その魚を食料代わりに食べ助かっ たこともあれば、毒魚で死にかけたこともあった。人魚からこれ以上仲間らを捕 らないようという願いを無視し、漁を続けた人は嵐に遭い死んでしまうという人 間と魚の物語。人間と自然の関係、生と死に対する考察。生命に対する敬畏。  それから迷信など宗教的な意味合いに対する考え
14言語 標準語 (粗魯な言葉を意識的に避けている。) 
15描写 情景描写、心理描写、自然描写、人物描写 
16構成 章立てなし、全61段落 〈1−2〉父は海に、魚の漁に出かけ、私もつ いていった。〈3−11〉漁は多くの人が力あわせる人力漁。大漁で魚スープをご 馳走になる。〈12−15〉仕事を終えた人たちは酒を飲み、父はその時から酒を覚 える。私はそんな父を嫌いでなくなった。〈16−20〉早朝の漁に出る為に多くの 人たちは泊まり込んでいる。厳しい寒さのなか、たくさんの魚が捕れた。〈21- 23〉食べ物に困った時、魚が食料代わりになり、しかし、父は決して魚を食べよ うとしなかった。〈24-26〉父が毒魚の料理の仕方を覚え、初めて食べるその美 味しさは今までに無かった味だった。〈27-29〉一家で酒を味わった夜、私は父の 身体から魚の臭いがしたのに気づいた。〈30-33〉ある日の父は酒に酔っぱらい、 落とした持ち物を私が探し見つけ持ち帰る。〈34-43〉父が持ち帰った魚を母が調 理し、それを食べた一家は中毒になり、母が必死に探し出した解毒草を食べた一 家は助かる。〈44-54〉私の夢に人魚が現れ、仲間をこれ以上殺さないよう頼み、 しかし、その願いは聞き入れでもらえなかった為、漁に出れないようにしたと私 に告げた。〈55-60〉その後漁に出た人たちは嵐に遭い死んでしまう。〈61〉この 魚の話は忘れられない。
17問題点 海水で作った魚スープは飲めるのか? 「頭顱」という単語の使い方が間違っている。 扎紅頭縄と嵐で死んだ人たちとの関係は?
18作者略歴 張煒 。1956年11月生まれ、山東省龍口人。1973年に中学校、1976年 に高校を卒業し、1978年山東煙台師専中文系に入学するまでは漁師、工員、農作 業員などを経験した。1980年処女作を発表。1983年から中国作家協会のメンバー となる。 
19その他 原刊責任編集者:趙虹 本刊責任編集者:秦万里 
20報告者 上村香織