01 | [整理番号] | XX990303 |
02 | [作品名] | 変数 |
03 | [作者名] | 張欣 |
04 | [原載] | 『大家』1999年第1期 |
05 | [頁] | 16(39〜54) |
06 | [ジャンル] | 中編小説 |
07 | [時代] | 現代(90年代) |
08 | [地点] | 楊箕村(広州市の東にある) |
09 | [手法] | リアリズム |
10 | [視角] | 三人称全知(語りにやや主観的な部分がある) |
11 | [人物] | 魯浩明(主人公。師範学校を卒業後、党学校の行政事務室に勤める)、 浩明の父(バスの運転手だった)、 浩明の母(経理職を専門にしている)、 魯麗明(浩明の姉、不動産会社に勤める、オールドミス)、 区文秀(浩明の彼女、人形劇団員)、 香姨(文秀の母、鶏肉を売っている)、 区伯(文秀の父、広東料理の白案コック、招聘されてハルビンで働く)、 姜大発(区伯の雇い主)、 [冫先]雄財(魯家の下宿人、フリージャーナリスト、美術学校を卒業している)、 季風(魯家の下宿人、フリージャーナリスト、有名大学を卒業し文才がある)、 池暁平(沼澤音像有声読物有限公司;AVソフト会社の社長)、 南国一点紅(池暁平の愛人)、 鍾先生(麗明のペンフレンド)、 阿[女亭](ウェイトレス、殺人の罪を犯す)、 阿[女亭]の両親、野生動物保護協会の職員、麗明の同僚(取締役の娘)、 小明(猫、麗明のペット)、その他。 |
12 | [題材] | マスコミュニケーション、消費者意識、詐欺横領、スター(芸能人)、利己主義、理想主義、 自殺、カリスマ的存在、居住区開発、結婚、離婚、殺人、無理心中、裁判、弁護士。 映画《羊城暗哨》、ドキュメンタリー《百年風雲録》、《小李飛刀》、金庸の小説、席慕蓉、 汪国真、顧城、海子、李翰祥、林青霞、ダイアナ妃、pan渓酒家、紅双喜牌タバコ、 五羊牌自転車、ベンツ、範思哲牌サングラス。老人クラブ、ディスコ、ポケットベル、 携帯電話、割引、テレビドラマ脚本裏話、ペット、身分(証明書)、移住、下海、保護動物。 |
13 | [主題] | 現代(20世紀末)社会に生きる人々の人生は、外界との接触によってどうにでも変わりうる、 つまり「変数」に満ちた人生である事を表現するとともに、自己の意志によって幸せな人生を 歩むことは可能か、という問いかけ。または、人物をパロメータとして扱う; ある位置(売れっ子女優、金持ちなど)に来れる人物は決まっていない、その事を表現している、 のかもしれない。 |
14 | [言語] | 標準語、一部方言あり(ex.家[女且]) |
15 | [描写] | 特徴;精練された文章。有名な実在の事物を取り入れ、読者の共感を引く。 ユーモアに富む。キャラクターが目に浮かぶような描写に成功にており面白味がある。 |
16 | [構成] | 全255段落。章立てなし、4つのブロックに分けられている。 (1) 1−9:楊箕村の全景と魯家の平穏な生活。 10−22:魯浩明の父死亡。党学校に勤める魯浩明、劇団員の文秀と恋愛中。 浩明、将来(結婚)を考慮し転職、音声映像関連の会社に勤める。 23−41:浩明の企画、大成功を収める。 42−62:池暁平が愛人・南国一点紅とどろん、会社倒産、浩明失業。 63−99:姜大発、広州市でレストラン開店を計画、浩明、店のマネージャーになる。 季風、区文秀をスターに仕立て上げることを計画。 100−142:店オープン、繁盛する。店で殺人事件発生、浩明負傷し入院。 143−201:浩明退院。裁判。区伯、姜大発の店(ハルビン)を首になる。 文秀、スターには程遠い。 (挿入;法廷にて、浩明の見聞→池暁平と南国一点紅のその後。無理心中事件) (2) 202−244:裁判の判決が下される。浩明、公務員試験受験を計画。 季風の脚本と推薦により、文秀、季風と北京へ撮影に行く。 麗明、鍾先生と結婚しパナマへ移住。浩明、阿[女亭]面会。阿[女亭]の両親、浩明を頼る。 (3) 245−253:文秀、マイナーではあるが女優になる。居住区開発。 魯家、区家ともに引っ越し疎遠になる。浩明と文秀もあかの他人。 (4) 254−255:近況;阿[女亭]出所、時々魯家を訪ねる。麗明からは音沙汰なし。 |
17 | [問題点] | 著作権という観念が浸透していない中国社会が浮き彫りにされている。 |
18 | [作者略歴] | 女、1954年生まれ、北京大学作家班を卒業、著作に長篇小説及び中編小説集など多種があり、 現在広州市文創所で専門作家として従事している。 |
19 | [その他] | 題名の下に女性のカットあり。46頁にレストラン店内の挿し絵あり。 原刊責任編集者 海男、本刊責任編集者 崔艾真。 |
20 | [報告者] | 上原かおり |