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整理番号]xy00010102[
作品名]酔也无聊――老姐夫完颜占泰的故事03[
作者名]叶广芩04[
原載]『延河』1999年第11期05[
頁]5-21(17)06[
ジャンル、スタイル]短篇小説、歴史小説07[
時間]民国時代から現在まで08[
場所]北京(下町、胡同、協和病院)、09[
手法]写実的リアリズム10[
視角]一人称(全知、語り手)11[
人物]我(金家の最年少、作家)老姐夫(完家の次男、金家の婿。酒が好きで、悠々とした生活を過ごしでいる知識人。) 我母親(金家の第三夫人、一家を維持していくために、さまざまな努力をしている。しとやかな人) 五格格(老姐夫の元嫁、のち解放軍軍士の王連長と結婚する) 五哥(老姐夫と一緒に、道観へ修業に出かける) 武老道(白雲観の道主、金家とは古いお付き合い)、父親(家長ではあるが、恐妻家で、老姐夫に対して甘い態度をとる)、六格格(昔は中国一の病院、協和病院の看護婦婦長、いまは薬会社の理事長を勤める)、女仆劉妈、老張(金家の門番) 老大(国民党に従事している。一生子はなく、九十一になくなる)、瓜尔佳(父の第一夫人)、張氏(父の第二夫人)、王存(元解放軍兵士、五格格と結婚する、いまは不妊薬の開発に取り込んでいる。)老四(王連隊長をからかう)、摇煤球的、老七、老孟、老孟の山東の嫁(のち老姐夫の嫁となる。)、老太太(老姐夫の母)、青年(六格格の秘書)12[
題材]酒、酒飲み、漢民族以外の少数民族による王朝統治、八旗、道教、修業、術、酒作り、ヒステリー、離婚、禁欲、断食、内職、人民解放軍、再婚、京韵大鼓、メイドインアメリカ、ダイエット、紅衛兵、前立腺肥大、食療法、薬の開発、不妊治療、神話の中の人物:曹国舅、九玄天女、道教修炼之术:行散、步虚、禹步、添油法、结幡招鹤、房中術、采战術、辟谷、交而不泄、马阴藏相、一室一厅、有名人の名前:赵丽蓉、巩汉林、关仁山、何申和13[
主題]時代の変化に流されることのない一人の老人の歴史と変わり行く大家族の物語。14[
言語]標準語 / 满语には「格格」がある。/ 英語には「克莱尔・完」という名前がある。医療用語には:葡萄糖酸、钙がある。15[
描写]人物については薀蓄(うんちく)を感じさせる描写をしている。16[
構成]全八章第一章
1-33段落(1
-18)姉婿の完顔占泰は代々名門の生まれにもかかわらず、世間の浮き沈みと程遠く、酒や修業に身を委ね、悠々とした暮らしの日々をおくる。(19-33)私はそんな義兄が好きで、年が離れでいるにも関わらず、一緒に酒を飲み、義兄の修業ぶりを楽しんでいる。第二章
34-67段落(34
-47)ヒステリーになった劉女中の治療に、普段目立たない義兄が大活躍、西洋医学を知る六番目の姉も顔負け。(48-67)劉女中の病気を治した義兄は今度、修行で命を落としかけ、西洋医学による治療でようやく一命を取り留めた。第三章
68-90段落(68
-76)兄貴らと私は入院中の義兄の看病に精を尽くす。子孫が絶つという危機に瀕した金家を救おうと母は立ち上がる。退院した義兄と兄貴らを待っていたのは母の怒りの爆発であった。(77-90)金家の不妊危機は、義兄をはじめとする兄貴らの修業によってもたされたものだと判明、修業の禁止令でようやく金家の後継ぎがうまれる。第四章
91-106段落(91
-94)水汲みの老孟に同郷のコックの老王が親しくしたことで、老張がひがむ。(95-106)五格格は自然と使用人たちとの距離を縮め、それがきっかけで人民解放軍の兵士と交際しはじめる。構成の形式上:
18と19段落、48と49段落、121と122段落、143と144段落、198と199段落、218と219段落の間にはそれぞれ一行スペースあり。17[
問題点]本篇には多くの歴史人物が登場しており〔例:岳飞、杨延昭、金太宗、金太祖颜阿骨打、金世宗完颜雍、乾隆、阿克敦、明思宗、完世谭、徐世昌、徐树铮、吴光新、傅良左、冯玉祥、孙中山、宋庆龄、于凤至、老庄、徐霞客、同治、光绪、宣统〕、作品の性質の分類について、文学作品(フィクション)それとも歴史書(ノンフィクション)か?親族間の長幼の序列について、数え方としてはそれぞれ男女別になっており、普通の数え方と違っているのはなぜか。18[
作者略歴]女性、満族、北京市人、1948年生まれ。1990年、日本千葉大学で外国人研究員を経験。現在、西安市文聯専属作家、中国作家協会会員。著作には長篇小説『乾清門内』、『戦争与孤児』、中短篇小説には『在清水町的単元里』などがある。小説月報には『本是同根生』、『注意熊出没』などの発表がある。中篇小説『黄連・厚朴』は小説月報の第八回百花賞を受賞。19[
その他]書物の題名が多数あり。例、『百家姓』、『説岳全伝』、『楊家将』、『満州八旗世族通譜』、『平民日報』、絵には『漉酒図』、『酔酒図』があり、劇には『借東風』、『劉巧児』がある。20[
報告者]上村香織