01[整理番号]xx000903

02[作品名]王樹的大叫

03[作者名]王方晨

04[原載]『歳月』2000年第7

05[]24-32(9)

06[ジャンル]短編小説

07[時間]現在

08[地点]とある町と自然条件の悪い村(胡蘭村)

09[手法]リアリズム、意識の流れ

10[視角]三人称

11[人物]王樹(自分の勤め先から、農村へ回されている)、国錦玲(王樹の妻)、劉国興(王樹の勤め先の事務員)、胡金千(胡蘭村の村長)、村役場の人、胡蘭村の村人、朱華(王樹の勤め先の局長)、王樹の同僚、科長、張青(局の運転手)

12[題材]雇用問題(下郷)、アルカリ土壌、におい、セックス、女局長、2000年、地域格差の問題、自転車、幹部の不正

13[主題]農村に左遷された男の苦悩(幹部に対する批判)

14[言語]標準語、一部方言

15[描写]自然描写が感覚的(中国的なリアリズム)

16[構成]162段落

1-5)王樹の勤め先からの電話。ちょうど帰宅した王であったが、妻に言われて直ぐに出て行く。(6-10)王樹の勤め先。入口に積まれたたくさんの物。劉国興との会話の後、事務所に向かう王。会議室から朱局長の新年の挨拶が聞こえてくる。(11-16)国錦玲帰宅。夫の王は既に戻っていた。シャワーを浴びながら、王の5年間の苦労を考えていらだつ。(17-23)セックスにも気の無い様子で、考え事をしながらため息をつく王に、妻は爆発する。(24-31)妻に自分の悩みと意志を語る王樹。(32-34)村役場についた王。胡村長がきていることを聞く。(35-37)アルカリ土壌の貧しい土地のことを考える王樹。自転車に乗りながら考え事をしていると、向こうから老人がやってくる。(38-49)胡金千は王樹のところにやってくると、彼のための申請書を上層部に提出しにいくことを伝えた。乗り気がしない王樹であったが、連れ出される。(50-66)風が止むのを待ち、村を出た王樹と胡金千。王樹はなぜか気分がよく、叫びだしたい気分に駆られるが、叫ばなかった。変わりに胡が空に向かって叫ぶ。(67-68)後ろから人が追いついてきて、王樹に村に戻るよう伝える。(69-79)劉国興が待っていた。彼に急かされて、王樹はあっという間に村を出ていく。(80-90)王の職場に到着。朱局長と会い、挨拶を交わす。家に帰る。(91-94)帰宅した王樹は、突然泣き出す。戸惑う妻。(95-114)朱局長の夫への仕打ちに、怒り狂う妻。それをなだめる王樹。(115-117)職場への復帰。王樹の貫禄に関心する同僚たち。(118-125)昼、王樹の復帰を祝う。においについて。(126-128)同僚たちの彼に対する配慮に感動を覚える王樹。(129-135)帰り際、科長に申請書のことについて聞かれる。誤解。空。(136-153)春節間近。朱局長に呼び出された王樹。再び胡蘭村へいくようにとの辞令が下る。王樹は突然叫ぶと、部屋を出て行った。(154-155)ひとり部屋に残された朱局長は、王樹の叫び声に呑まれたようになり、しばらく呆然とする。(156-162)消えた王樹を探して胡蘭村にやってきた国錦玲。夫に会った帰り、告訴を決意する。

17[問題点]話の状況が不明確である。妻の名前が間違って書かれているところがある。

18[作者略歴]男性。60年代生れ。山東省の人。90年代から創作活動を開始。

19[その他]1967年生れ。1988年から作品を発表。山東省青年文学賞、『中国作家』短編小説賞受賞。山東省在住。(『小説月報』20004期「郷村火焔」の作者略歴より)

20[報告者]出縄一政