01[整理番号]xx000803

02[作品名]天花乱墜

03[作者名]莫言

04[原載]『小説界』 2000年第3

05[]33-375ページ)

06[ジャンル]短篇小説

07[時間] 清朝末、民国初めから現在、

08[場所]山東省、

09[手法]モダニズム、語り手の二重構造。

10[視角]一人称

11[人物]我(語り手で、物書きである)女人(慰問公演団の歌手、顔に痘痕がある)皮匠(いい声を持ち、顔には痘痕がある。金持ちの令嬢に恋をし、叶う事無く死んでしまう)金持ちの娘(皮匠の声に恋をして、顔をみるなり冷めてしまう)老許頭(伝説の恋物語を教えてくれた人)大子、小痩子、知青代表

12[題材]声(歌唱能力)、恋、刺繍靴(纏足用)、知識青年、歌手、予防接種、演劇、痘痕、天然痘、酒、料理

13[主題]あばた顔といい声にめぐる悲劇。

14[言語] 標準語

15[描写]リズムの揃った対句表現。

16[構成] 全三章(10段落)一章1-3段落(1)、私の幼い頃の思い出の中、顔に痘痕のある女性はいい声をしている。痘痕さえなければ、スタイルも良いのその人は、きっと美女といえるに違いない。(2-3)ある年の暮れ、知識青年の為の慰問公演で、私は顔に痘痕のある声のいい女性を知った。彼女は舞台の表には出なかったが、素晴らしい声の持ち主である。来世があるのなら、きっと彼女のことを追い求めたであろう。

ニ章4-7段落(4-7)私は綿の加工工場でアルバイトをしていた時、門番の許というおやじから:資産家の一人娘と靴直し職人との恋物語を聞いた。金持ちの令嬢は、裕福ではないが素晴らしい歌唱力のある職人の声に恋をした。職人はそれの為に死んでしまった。三章8-10段落(8-9)発明から二百年あまり遅れて、中国にもワクチンの使用によって、痘痕のある顔が消えた。それと同時に魂を込めて歌う人も消えた。(10)伝説ではほかにも、二つの言い伝えがある。それのいずれも醜く私は受け入れたくはないが、みなさんの参考までに書きとめた。

17[問題点]寒いところで、裸の下半身に、纏足の靴を掛けられるか。

18[作者略歴]1955年生れ、山東省高密人。主な作品には『莫言文集』1-5がある。現在は『検察日報』に勤めている。

19[その他]邦訳あり。

20[報告者]上村香織