01[整理番号]xx000104

02[作品名]臉上露出幸福的笑容

03[作者名]程青

04[原載]『時代文学』1999年第5

05[]82-10927

06[ジャンル]中編小説

07[時間]現代

08[場所]北京

09[手法]リアリズム、独白

10[視角]一人称(語り手)

11[人物]私(語り手。雑誌社の記者)、呂非(ライター。話の中心人物。人当たりが良く、交友関係も広いが、あまり誠実とは言えない一面も持ち合わせている)、同義(私勤める会社の副主任。やり手であるが、やりすぎて皆に疎まれるようになる。後に曽と結婚する)、姚名名(私の同僚。占い好き)、曽(私の同僚で、双子の姉。呂非の恋人であったが、後に徐同義と結婚し双子を生む)、曽霓(双子の妹。活発な性格)、小紅(呂非に好意を寄せる、同性愛者の青年)、密兒(新人歌手。呂非の幼なじみ。呂非を頼って北京へくるが、やがてうまくいかなくなり彼の元から去る)、夏先生(小紅が性転換手術をする時の担当医)     

太った編集、六人の副主任(あまり有能ではないらしい)

12[題材]恋愛、自立した現代女性、現代の都会の若者、異性間の友情、盗作、マスコミ、双子、広告産業、同性愛、性転換、芸能界、現代の流行・話題(占い、ファッション、VCD、映画、MTV、流行歌)、『覇王別姫』、村上春樹『風の歌を聴け』、『心太軟』(任賢斉)、『用心良苦』(張宇)

四有新人

13[主題]一人の男性とそれを取り巻く人たちとの、極めて現代的な恋愛と生活。

14[言語]標準語、英語、新語(酷、呼機)

15[描写]語り手による主観的な描写。

16[構成]全三章

 1.背景(1−5)月曜の朝。副主任の同義が、盗作されたことに対して怒りを露わにしていた。犯人は私の友人である呂非であった。私は呂非のことを案ずるが、自分の立場も考えて静観することにした。(6−49)午後3時過ぎ。呂非からの電話。私と呂非は喫茶店で落ち合う。呂非はいつもと変わらぬ調子であった。結局盗作のことにはいっさい触れず、二人は楽しい時を過ごして別れた。(50−57)次の日。同義の怒りは収まってはいなかった。しかし彼は非常に忙しい身で、数日もするとその事ばかりを気にしている暇は無くなっていた。そうして3週間が過ぎた。(58−72)同義の書いた物が再び盗用された。彼は怒ってその雑誌社から呂非のポケベルの番号を聞き出すが、呂非を捕まえることはできなかった。(73−90)友人の桃名名との電話で、私は呂非の恋人の存在を知る。(91−108)会社の地下にある喫茶店。桃名名は呂非の恋人である曽連れて来た。初めのうち私は彼女に無視を決め込もうとしたが、思い直して話しているうちに仲良くなる。(109−138)曽霓登場。話題はやはり呂非ののことに。(139−150)同義に広告関係の仕事を頼まれた私。何とか仕事を終えたのだが、その原稿料についてトラブルが発生する。そんな折、突然私の会社に現れる呂非が現れる。(151−163)呂非は同義のことを私に訊ねる。その後外で会う約束をする。(164−179)喫茶店。呂非は同義の書いた物を盗用したことを後悔する。(180−187)私と呂非申し合わせたように、ある企業の接待に行く。これは呂非が盗作の代償として準備したものであり、それによって同義は原稿料を無事回収することができた。

17[問題点]途中で挿入されている呂非の独白は、私が彼の言葉を回想しているととることができるが、この手法は独白と言えるのか?

18[作者略歴]江蘇省出身。1984年に南京大学中文科を卒業。現在は北京の某マスコミ関係の会社で働いている。『人民文学』、『十月』、『鐘山』等に短編小説を幾つか発表している。

19[その他]挿し絵:作者の写真(p.83)、馬涛の油絵『貝』(p.90

20[報告者]出縄一政 2000年5月15日