「雑多なお知らせコーナー」 と、言いながら、悲しいお知らせばかりになって…。
1 東北大震災から一年 ― 本当に辛い時間でした。姪の夫のことが
朝日新聞に載りました。読んでやってください。
クリック → 朝日の記事(2011年9月)
今まで、書けませんでしたが、1年前の東北大震災と津波で、石巻在住の僕の姪が三人
の子を失いました。悲しくて、辛いことだけど、この子たちがここに、この世にいたこと、
思い出して、祈って、忘れないでください。左から侃太、おばあちゃんの横が、一番下の奏、
そして長女の花(3年前の正月の写真)。
優しくて可愛い侃太君、やんちゃなしっかり者奏ちゃん、すっかりお姉さんになった花ちゃん。
あなたたちのお母さんとお父さんを見守ってあげてくださいね。いつまでもただよって、そばに
いてあげてください。あなたたちの短かったけど、幸せな人生には、きっと意味があったんだよ。
これから生きていく若い人たちに、語り継いでいくからね。
無力な大伯父さんより…。2012年3月11日
2 真空時間
先日大阪十三の映画館、第七芸術劇でレートショーの映画を見ました。「あまっちょろいラブソング」。
昔、僕が少しだけ卒論指導したことのある下石奈緒美さんの出演映画です。
東京のライブで活躍する下石さんは、数年前自作の曲『真空時間』を発表。僕は、その詩と歌にとても
惹かれました。
「信じることに 疲れてしまったら、信じることさえ、やめてみれば…
悲しいくらい、人の心には、冷えた感情があふれている…
揺れる、揺れる。弱さを責められ…
焦せる、焦る。行く先を見つけられない…
何も言わないで、何も与えないで…
少しだけ、少しだけ… このままでいい」
この間レートショーの後、監督の挨拶の後、下石さんが、この歌を歌ってくれました。
生で初めて聴きました。そして、また感動しました。2011年7月15日
3 Let it be!
最近、Let it be について、新しいことを知りました。ビートルズのこの歌を歌っているので、少し歌詞を
見てみたのです。
そしたら、聖母マリアが出てきて、苦しい時に、「Let it be」と賢者の言葉を囁いてくれる、というのですね。
「そのままでいいよ」って訳すのか、「あるがままでええんや」って訳すのか、「なるようになれ」って訳すのか、
訳は、それぞれ自分にピッタリのものでいいと思うけど、これって、悟りの心境だろうか?「そのままで
あれよかし」って、いうことですか?禅の境地でもありますね。さらに、最近、浅学にも知らなかったこと
をまた一つ知りました(大学時代の友人から)。これは、受胎告知をされた時のマリアの言葉だそうです
ね。この後に、「As you say」って続くらしい。天使ガブリエルから、お前は神を身ごもったって言われた
マリアは、さぞびっくりしたろうな。でも、御心のままというか、「おっしゃる通り」私は「このままでおります」
という、受け入れの姿勢なのでしょうか? 人間は「運命」逆らえない。その範囲で、努力しているんだって。
だから、そういう心をどこかで持っていなさい、って教えなのかな?「あるがままでいいよ」って言われると
少し気が楽になりませんか? 生誕も、死も、自分で決められない、決めてはいけない。
一昨年96歳で、僕の父は、亡くなりました。27歳で逝ってしまった卒業生もいる。
でも Let it be。。。。。。。
4 悲しいお知らせ(2008年8月11日、大阪外大ロシア語専攻卒業生・伊達明日香さんが永眠しました)
伊達明日香さんを偲んで
伊達明日香さん(2008年8月11日没)
写真は亡くなる数か月前のものだそうです。
抗がん剤を打ちながら(髪の毛はかつらだそうです)でも、こんなに元気だったのに……。
安らかに、眠ってください。合掌
Пустьбудет земля ей пухом !
辛く、悲しいことがこの8月・9月に続きました。大阪外大の2008年卒業生伊達明日香さんが原発不明
癌で、この8月11日に亡くなりました(27歳でした)。私的なことになりますが、僕の兄嫁の妹(義理の妹
となるのかな?)がその翌週にやはり原発性の癌で、58歳で亡くなりました。
9月4日にロシアに出張で行き、そこで友人で俳優のミハイル・ドーキンの死を知らされました。着い
た翌日、彼の属していたユーゴザーパド劇場の向かいにある教会で葬儀が営まれました。
いろいろな死があります。でも若い人の死は、辛いです。悲しいです。病気だからしょうがないの
だけど、天はどうしてこういう運命を若い人に与えるのでしょう。人生の本当の喜びも悲しみも、感動も、
怒りも、まだまだこれからたくさん味わって、その素敵な思い出やつらい思い出をいっぱい持って、逝
くのが人の命の全うなのではないですか? それなのに、なぜ27歳の命を奪ってしまうのか?!残酷で
す。でも、伊達さんの人生は、短かったけど、その条件の中でたくさんの素敵なことを味わっていったと思っ
ています。病床で、抗がん剤を打ちながら、それでも卒論も立派に書いて、卒業して、未来への夢も持って
…。だからこそ、残念だし、辛く、悲しいけど、残された僕たちは、冥福を祈るだけでなく、彼女の分まで、
たくさんのいいことを体験し、苦しいことを体験し、喜び、怒り、感動し、泣いて、笑って、心広げて、しっか
りと生きていくよ、って誓わなくてはいけない。これを読んだ若い方々に言いたいのです。生きていれば、も
ちろん悲しいこともあるし、辛いこともある。でも、喜びも、幸せもきっとあるに違いない。その体験が27歳
でできなくなった伊達さんの分まで、貴方がたは、生きて、生き抜いてたくさんのことを体験して、大きな心
を持って人生を終えなくてはいけないよ。立派でなくても、いい、金持ちでなくても、いい、小さな幸せでも、
生きていることの幸せがあるなら、それ以上の幸せはないのだって、どこかで思っていようね。
「生きてりゃ、いいさ」って歌があるけど(「喜びも、悲しみも立ち止まりはしない、巡り巡っていくのさ」
って続く。「禍福はあざなえる縄のごとし」ってことわざもあるけど、交互に来るのだから、いつまでも続く
「不幸」も、いつまでも続く「幸福」もないんだよね、きっと。巡り巡ってくるんだ。
だから、生きてりゃいい。「生きているだけでまるもうけ」の精神で、肩の力を抜いて生きていきましょう。
今月10月に、かつて映画時代に一緒に仕事した緒形拳さんが亡くなりました。彼の口ぐせは「これ
から、これから!」。小声でささやく「これから、これから」って。それも、生きているからこそ言える言葉。
この時代だからみんな「うつうつ」としているけど、鬱でいいではないですか?月並みだけど、健康であ
ることが、一番。温かい白い御飯が、ほかほかのパンが、熱いラーメンがおいしいと思える瞬間があ
ることに、感謝して、「これから、これから」ってつぶやいてみよう。
生きてりゃいいさ、生きてりゃ、きっといいことあるに違いない。「これから、これから」…。