大津研究室

指導教官:
大津智彦
(おおつのりひこ)

略歴

大阪外国語大学英語学科卒業。大阪外国語大学大学院外国語学研究科英語学専攻修士課程修了。文学修士(大阪外国語大学、1989年)。大阪外国語大学助手、英国エセックス大学現代日本研究所研究員(大和日英基金)、大阪外国語大学専任講師、同助教授、同准教授を経て、2007年10月大阪大学大学院言語文化研究科言語社会専攻准教授、2011年4月より同教授。

専門分野

英語史、現代英語語法

所属学会

英語コーパス学会

主要業績

「近・現代英語期における現在完了形の発達について」『コーパスと英語史』(ひつじ書房)(in preparation)
「現代アメリカ英語における過去形と現在完了形の交替」『EX ORIENTE』(大阪大学言語社会学会)Vol. 19 (2012)
「アメリカ英語における離接詞としてのlikelyの用法:1810年から2009年までの変遷」『言語文化共同研究プロジェクト2010』(大阪大学言語文化研究科2011)
 「現代英米語の話し言葉における過去形と現在完了形の交替について」(大阪大学英米学会)第34号 (2010)
「1600年代イギリス文学作品における過去形と現在完了形の交替 -散文と演劇を比較して-」 『英語フィロロジーとコーパス研究』松柏社 (2009)
「形容詞に続くto不定詞補文の態について -後期近代英語を中心に」、『英米研究』(大阪大学英米学会)第33号 (2009)
「初期中英語の従属節における接続詞 tat の有無について」、『英米研究』(大阪大学英米学会)第32号 (2008)
「19世紀イギリス文学作品における過去形と現在完了形の交替 -ever を含む文または節を中心に-」、『英語コーパス研究』(英語コーパス学会)第14号 (2007)
“On the presence or absence of the conjunction t?t in Old English, with special reference to dependent sentences containing a gif-clause”, English Language and Linguistics (Cambridge University Press) 6.2 (2002)
“On the absence of the conjunction that in Late Middle English”, English Corpus Linguistics in Japan (Rodopi, Amsterdam) (2002)

研究紹介

古英語、中英語、近代英語、現代英語の各時代あるいは時代をまたいでの統語法の歴史的変化について研究しています。研究に際しては、対象となる時代の大量の言語資料(コーパス)にあたることによって変化を浮き彫りにする実証的・記述的手法を用います。最近では特に、媒体(口語・文語)、改まり度 (formality)、地域、社会階層、年齢、性別、といった属性の差がことばの変化とどう関わっているかというvariational approachから研究を進めています。英語史の中にはいまだに人知れず埋もれている事象がまだまだたくさんあり、このような手法を用いることにより、それらを発掘していくことを楽しみとしております。

メッセージ

時代の制限は設けずに、英語の主に統語上の史的変化を実証的・記述的な立場から研究するための方法論を学びたいと思います。授業を進めるにあたっては
1. 記述的・実証的研究に焦点を置くものの、事象の説明に必要となる認知文法を始めとする言語理論の考察
2. 対象となる時代の英語を正確に読むための高度な読解力の養成
3. コーパスなどを利用して実例の検索・抽出・分析という一連の実地作業
などの点を重視しています