
指導教官:
中村 未樹
(なかむら みき)
略歴
福井大学教育学部中学校教員養成課程英語科卒業。名古屋大学大学院文学研究科英文学専攻博士後期課程単位取得満期退学。大阪外国語大学外国語学部地域文化学科講師、助教授、准教授を経て、現在、大阪大学言語文化研究科言語社会専攻・ヨーロッパ・アメリカI講座 准教授。
1999年 名古屋大学英文学会IVY賞 受賞。
2002年10月~2003年3月 The University of Birmingham, the Shakespeare Institute, visiting scholar
専門分野
イギリス演劇
所属学会
日本シェイクスピア協会、日本英文学会、日本英文学会関西支部、名古屋大学英文学会、関西シェイクスピア研究会、British Shakespeare Association
主要業績
論文(エリザベス朝演劇に関するもの)
- 「歴史、記号、スター俳優―『ヘンリー六世』第1部におけるシェイクスピアの試み―」, 『言語文化研究』40(2014)
- ‘The Aura and Shadow of Edward Alleyn’『英米研究』 37 (2013): 49-60
- 「1590年代後半のシェイクスピア作品における悲嘆の所作について」,『英米研究』 36 (2012): 95-115
- 「英国ルネサンス演劇における身体性について」,『英米文学における身体表象ーその理論と実践』2010年05月
- Body, Personation and the True Imitation in The Spanish Tragedy, A Midsummer Night’s Dream and 1 Henry IV,Miki Nakamura,『英米研究』34 (2010): 25-48
- “The Representation of Invisibility on the English Renaissance Stage” Ivy Never Sere: The Fiftieth Anniversary Publication of The Society of English Literature and Linguistics, Nagoya University Otowa-Shobo Turumi-Shoten, 2009; 125-3
論文(イギリス現代演劇に関するもの)
- 「エステート、少年犯罪、そしてメディア―debbie tucker greenとRoy Williamsの試み―」,『ポストコロニアル・フォーメーションズ』VII,51-60,2012年05月
- 「Endsを離れて ― カウンシル・エステートとブラック・ブリティッシュー」,『ポストコロニアル・フォーメーションズ』,VI pp.29-39,2011年05月
書評・舞台批評
- Performance Review, Tempest Arashi Nochi Hare–Sunshine After the Storm, an adaptation of Shakespeare’s The Tempest,Miki Nakamura,Shakespeare Studies,47、56-58,2010年03月
- Review, Jean-Christophe Mayer, Shakespeare’s Hybrid Faith: History, Religion and the Stage,Miki Nakamura,Studies in English Literature,50 (2009): 143-149,2009年03月
学会発表
- ‘The Body-Mind in Shakespeare’s Theatre’ セミナー・メンバー、Ninth World Shakespeare Congress、2011年7月
- 「エリザベス朝末期の舞台における悲嘆の所作について」、第49回シェイクスピア学会、2010年10月
- 「ルネサンス演劇における演技と現実性」、 第47シェイクスピア学会、2008年10月
- 「『アントニーとクレオパトラ』を読む」セミナー・メンバー、第46回シェイクスピア学会、2007年10月
研究紹介
イギリスにおいては、古くから人々の間で演劇が親しまれ、数々の魅力的な作品が生み出されてきました。現代においても、West Endその他の各地で多様な劇作品とミュージカルが上演されており、演劇はイギリスの文化を構成する重要な要素であり続けています。私の研究室では、イギリス演劇の歴史的発展の過程を踏まえながら、特にルネサンスの時代の演劇作品について研究しています。
演劇を研究していく上では、いろいろなアプローチの仕方があります。例えば、その時代の演劇が舞台上で実際にどのように上演・演出されていたのか、劇場の構造や観客の構成をも視野に入れながら、考古学的に考察していく方法があります。また、劇場空間における役者、大道具、小道具、背景、照明、音響、そして観客などの諸要素がどのように機能し、かつ相互に作用しているかを考える、いわゆるtheatre semioticsの方法もあります。さらには、演技論の立場から、各時代の役者とその演技のスタイルの特徴について調査していくこともできます。
私の研究室では、以上のような視座から、イギリス演劇の特徴とその面白さを探っていきたいと思います。そして、最終的には、「演劇とは何か」、「演劇を構成するものは何か」、「演劇と現実・社会の関係はどのようなものか」という大きな諸問題に、皆さんとともに取り組んでいきたいと思っています。
メッセージ
授業では主にエリザベス朝、ジェームズ朝の演劇を扱いますが、学生の方は、研究テーマとして他の時代の作品を扱っていただいてもかまいません。例えば、18世紀に活躍したシェリダンやゴールドスミス、1920~30年代の人気作家カワード、戦後にはオズボーンなど、たくさんの重要な劇作家がいます。どの時代の作品を研究対象とするにせよ、中世から現代にいたるまでのイギリス演劇の流れを視野に入れながら研究を行っていただきたいと希望しています。