畑田研究室

指導教官:
畑田 美緒
(はただ みお)

略歴

大阪外国語大学外国語学部英語学科卒業、京都大学文学研究科博士後期課程単位取得退学、大阪外国語大学外国語学部講師、同准教授を経て、現在大阪大学世界言語研究センター准教授

専門分野

イギリス文学

所属学会

日本英文学会、日本英文学会関西支部、ディケンズ・フェローシップ日本支部など

最近の業績

  • “Golden Past Illusion of Childhood and Old Age: A Study of Oliver Twist” 大阪大学英米学会『英米研究33号』(2009)
  • 「多様化する受容のかたち??ディケンズの場合」京大英文学会 Albion53(2007)
  • 翻訳:アンガス・ウィルソン「ディケンズとドストエフスキー」(南雲堂『ディケンズ鑑賞大事典』2007年)

メッセージ

「もう一歩踏み込んでみませんか???大学院博士前期課程および博士後期課程への進学を検討されている皆さんへ」

 皆さんの多くは、現在卒業論文や修士論文の作成に取り組んでおられる最中か、あるいは過去に取り組まれた経験があることと思います。卒論にしても修論にしても、限られた時間の中でこれまでに経験したことが無いほど多くの枚数を書き上げなければならないため、誰でも戸惑いを感じることでしょう。テーマについて十分に考え尽くせず、準備が整わないままに期日が迫って来て、枚数を埋めることのみに汲々としてしまったり、逆に、たくさん扱いたいことがあるにも関わらず、その多くを積み残したまま、ごく一部だけを無難にまとめざるを得なくなってしまった、ということも珍しくはないでしょう。
 もちろん、「完璧」ということは望めないにしても,もう少し何とかならないものか、と感じておられる皆さん、そこからもう一歩踏み込んでみませんか?当専攻では、多種多様な教員と共に様々な角度から物事を見ることで、皆さんが「もう少し何とか」するための方法を自ら見つけるお手伝いができると思います。
 ちなみに、私の授業では通例長編小説をテキストとして取り上げ、丹念に、かつある程度のスピードで読み進めてゆくことで、じっくりと物事に取り組むための基礎体力を養います。それと同時に、あらかじめ着地点を定めないことで、「早く正解を見つけて安心してしまいたい」という気持ちをぐっと押さえ、答えが見つからない不安定な状態の中を持ちこたえる忍耐力を身につけてもらうことにしています。参加者全員が、私の授業がどこに到達するのかに責任があるわけで、ようやく辿り着いた陸地に上陸しようと思うと、そこはクジラの背中だった、ということもあるかも知れません。しかし、クジラの背中が正解でないとなぜ分かるのでしょうか。そもそも「正解」は存在するのか、「正しい」とはどういうことなのか、というところまで立ち戻って考えつつ、一緒に漂流してくれる人を心よりお待ちしています。